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2023年2月08日

リース契約台数コロナ禍前超える 22年は前年比5%増

リース市場の堅調ぶりが続いている。日本自動車リース協会連合会(JALA、上谷内祐二会長)がまとめた2022年のリース車月次契約台数は、前年比5・2%増の169万5888台。4年ぶりのプラスとなり、コロナ禍前の19年実績(164万1629台)超えも果たした。

完成車の供給不足により新車市場が落ち込みをみせる中で、同年12月まで14カ月連続で前年実績を上回っており、リースを選ぶユーザーが増えていることを示す。新車供給が回復すれば、23年のリース市場のさらなる拡大が見込めそうだ。

JALA会員(262社)を調査した。22年実績を項目別にみると、特に好調だったのが再リースだった。年間累計台数は同9・1%増の84万8979台で、リース契約全体に占める割合も9年ぶりに半数を超えて50・1%となった。リースバック・中古車リースは6・7%増の8万1800台、無登録車リースも同17・5%増の9万1129台で、高い水準となった。

一方、新車リースは同0・9%減の67万3980台で4年連続のマイナスだった。全体の構成比も9年ぶりに40%を割り込んだ。新車の供給不足が響いた格好。特に影響が大きい登録車は同3・0%減の39万787台にとどまったものの、先行して回復基調となっている軽自動車は同2・1%増の28万3193台でプラスとなった。

もっとも、22年の新車販売台数は同5・6%減の420万1321台。このうち、登録車は同8・3%減の256万3184台、軽自動車が同0・9%減の163万8137台だったことを考慮すると、新車リースの勢いが上回っていることが分かる。再リースや中古車リースの好調も、新車の供給不足が後押ししたとも想定される。新車の減産が自動車産業に打撃を与えた中、リース業界は健闘したと言えそうだ。

また、リース市場が追い風となっている要因の一つとして、コロナ禍で停滞した企業の経済活動の回復も挙げられる。法人顧客で業務をオンラインから対面を主体に移行する動きが出ており、あるリース会社では「一時的に減車していた社用車を従来の台数に戻す例が少なくない」という。加えて、足元の燃料油価格の高騰を受け、「より燃費性能に優れる最新車両への引き合いが新車需要を押し上げている」とも指摘する。

さらに、個人リースの認知拡大も好材料だ。トヨタ自動車は新型車導入に当たり、サブスクリプション(定額利用)型リース「キント」専用グレードを設けるなど、リースの付加価値アップに力を入れている。一部車種ではサブスク専売グレードが、通常のグレードよりも短い納期となるなど個人でもリースを選びやすい環境となっている。

スズキも1日、新車のサブスクへの進出を発表するなど、メーカー各社でリースを強化する動きは今後いっそう加速する見通し。リース車の保有台数に占める個人リース比率は約12%(22年3月末時点)にとどまるものの、この流れがさらに拡大していけば、今年も市場成長が期待できそうだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞2月4日掲載