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2023年2月07日

伊予鉄グループ 大型EVバス導入、国内企業開発で全国初の営業運行

伊予鉄グループ(清水一郎社長)は、グループのバス会社にEVモーターズ・ジャパン(EVM、佐藤裕之社長、北九州市若松区)から大型路線電気自動車(EV)バスを導入し、営業運行を開始した。国内企業が開発・商品化した大型EVバスの営業運行は全国初となる。伊予鉄グループでは2023年中に計10台のEVバスを導入し、環境負荷の低減を積極的に図る計画だ。

今回のEVM製バス(F8シリーズ2―シティバス)は、全長が10・5㍍あり、バッテリー容量は210㌔㍗時、航続距離は280㌔㍍(定速60㌔㍍時、負荷量500㌔㌘、エアコンオフ)。軽量化のため、車体に炭素繊維(カーボンファイバー)を使用し、各座席はUSB接続が可能となっている。同バスは川内線(松山市駅~川内・さくらの湯間の最長18・2㌔㍍、下り3便、上り4便)で運行する。

EVMは現在、ファブレス(工場を持たない製造業)で、EV大型バスをはじめ、EVマイクロバスやトラック、充電設備などの事業を展開。北九州市若松区に、土地取得を含めた約40億円を投資して、EV専用組立工場を新設し、今秋からの稼働を予定している。伊予鉄グループはEVMに1億円を出資してバスのEV化を促進するほか、販売やメンテナンス面などで協力体制を構築していく。

営業運行の開始に先立ち、松山市駅前で行われた出発式には国土交通省の藤井直樹事務次官や吉元博文四国運輸局長、中村時広愛媛県知事、野志克仁愛媛市長らが出席。

式典で清水社長は「このバスはCO2を減らすだけでなく、災害時には非常用電源にもなる。今年はEVバス元年となり、30年には全国で1万台に増やす計画もある」とあいさつ。藤井事務次官は「今回のEVバス導入は1886年、当時の伊藤博文総理に鉄道建設の申請を行った伊予鉄グループの歴史に新たな1ページを加えるもので、感慨深い」と述べた。

カテゴリー 会議・審議会・委員会
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞2月2日掲載