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2023年2月01日

ヴァレオ 先進技術活用した道路インフラ設備、街灯とEV充電器を一体化

仏ヴァレオは、先進運転支援システム(ADAS)技術を活用した道路インフラ設備「スマートポール」を各国の政府や自治体に売り込む。カメラやライダー(レーザースキャナー)などの検知デバイスを組み込み、電気自動車(EV)の充電ステーションも一体化した街灯を新たに開発した。

中長期的には自動運転車の運行支援も視野に入れ、車載用部品で培った耐久性や信頼性、高機能性などを強みに次世代交通インフラ事業を展開する。

「スマートポール」は、充電ステーションを備えたツリーのようなデザインが特徴だ。内部に超音波センサーやサーマルカメラ、短・長距離用ライダーなど複数の検知センサーを組み込んである。

横断歩道付近にスマートポールを設置すれば、街灯として機能するだけでなく、横断歩道に近づいてくる車両や二輪車などの移動体を検知し「歩行者が安全に渡れる」と判断した場合は足元を青色に、「危険」と判断した場合は赤色に表示するなど、歩行者の安全性を高める仕組みを盛り込んである。街灯自体も超音波センサーと連動しており、歩行者の動きに合わせて点灯・消灯させることで節電になる。

スマートポールには、市街地でのEV充電を想定して充電機器も備えた。充電状況や充電完了までの残り時間などを地面に投影する「ニアフィールドプロジェクション」も装備する。

ヴァレオは世界的に進むEVシフトに対応した道路インフラ設備として提案していく考え。今のところ受注は得ていないが、地元のフランスだけでなく、アメリカのアトランタやニューヨーク、ラスベガスなどが関心を示しているほか、スマートポールを初公開したCES2023では「日本の地方自治体も視察に来た」(開発担当者)という。今後は、道路インフラと協調して運行する自動運転車との通信も視野に入れて開発に取り組む。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞1月24日掲載