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2023年1月25日

世界主要5市場22年新車販売 日米欧は前年割れ、インド3位浮上

日米欧や中国など、世界需要の7割を占める主要5市場の2022年新車販売実績が出そろった。日本、米国、欧州、中国、インドの合計台数は約5985万台となり、21年(約6017万台)比で微減(0・5%減)だった。ただ、半導体不足やウクライナ紛争など外的要因の影響は地域ごとに濃淡があり、日本、米国、欧州は前年より減少した一方、中国とインドは前年実績を上回った。

18日に欧州自動車工業会が22年の新車販売台数を発表し、主要市場の実績がまとまった。欧州主要18カ国の新車販売台数(乗用車)は1016万1993台(前年比4・1%減)だった。下期は改善傾向がみられ、単月実績は12月まで5カ月連続のプラスになったが、半導体不足の影響やウクライナ紛争によるサプライチェーン(供給網)の混乱で上期に大きく減少した分を補えず、通年で3年連続の減少となった。

国別では、ドイツが265万1357台(同1・1%増)で増加したものの、英国が161万4063台(同2・0%減)、フランスが152万9035台(同7・8%減)、イタリアが131万6702台(同9・7%減)、スペインが81万3396台(同5・4%減)といずれも減少した。日本は4年連続、米国は2年ぶりに前年を下回った。

一方、販売台数を大幅に回復させたのがインドだ。22年の実績は日本(約420万台)を超え、世界3位の472万台に浮上した。先進国向けのモデルと比べると1台当たりの半導体搭載数が少なく、半導体不足の影響が軽かったことも要因の一つだ。中国はコロナ禍の影響があったものの、3年連続で増加した。

新車の供給力不足で積み上がったバックオーダー(受注残)が解消されれば、23年の実績は22年を上回る可能性が高い。ただ、サプライチェーン正常化のめどは未だに立っておらず、米中などの景気後退リスクも懸念される。

米調査会社のS&Pグローバルは、23年の世界の乗用車市場が22年推計値と比べ5・6%増となる約8360万台になると試算する。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞1月20日掲載