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2023年1月19日

豊田合成 多様な人材活用推進掲げる、異業種交流で女性活躍後押し

豊田合成は、「マテリアリティ(重要課題)」の1つに多様な人材の活用推進を掲げ、女性の活躍に力を注いでいる。「女性従業員の育成・活躍支援」「上司の意識・行動改革」「仕事と生活の両立支援」を軸とした取り組みを2010年に開始。現在33人の女性管理職を25年までに40人以上とすることを目指している。

このほどオフィス家具を手掛けるイトーキとともに、女性従業員を対象とした「異業種交流会」を開いた。豊田合成は今後も積極的に異業種交流会を実施し、社内外の横のつながりを生かして女性の活躍を後押しする構えだ。

同社は女性従業員の育成・活躍支援の取り組みの一環として、キャリア形成や働き方について自由に意見交換する交流会「Teaミーティング」を実施している。異業種交流会もその活動の1つに位置付ける。

全社員のうち女性の占める割合が約1割と少ない中で、社内外の女性が交流する機会を提供し、キャリア形成で「お手本」となるロールモデルの発見や、出産などのライフイベント前後の働き方に対する不安の解消につなげる狙いがあるという。「女性が安心して長く働き、成長し続けられる環境をつくるとともに、多様な価値観を経営に取り入れることも重要だ」(同社人事部)と、組織が一丸となり取り組む。

今回の異業種交流会のテーマは「強みのタネを見つけ、成長の一歩に」とした。従業員の働きがいなどを定量的に測定する「エンゲージメントサーベイ」において、20~30代の女性社員が「自身の能力を十分に活かしている実感が弱い」という結果になったことから、このテーマを設定したという。

グループワークでは、「相手の考え方や価値観を受け入れるほうだ」「新しいアイデアを出すのが得意だ」といった40種類の強みが書かれた「マイ・ストレングス・カード」を使い、自分に当てはまるカードや今後伸ばしていきたいカードを選択、グループで話し合った。

カードは「独創的な発想をする力」、「的確に成し遂げる力」などの特性によって色分けされており、選んだカードによって自身の傾向が分かるようになっている。こうした傾向を今後どのように伸ばしていったらいいか、参加者同士でアドバイスを送り合った。

参加者からの評判は上々だ。交流会の終了後、参加者の一人は「自分の中では当たり前だと思っていたことが他者にとっては強みになることに気づけた」とし、自分自身のキャラクターや仕事に対する自信が深まったことを実感していた。「業種や職種が異なる人の考え方を聞くことで、自分だけでは思いつかないような気づきが得られた」という声もあった。

世界経済フォーラムが昨年公表した「ジェンダー・ギャップ指数」において、日本は146カ国中116位と男女間格差が大きい傾向にある。賃金の格差が開く背景には、女性が出産や育児などで退職し、男性より勤続年数が短くなりがちなことも影響しているといわれる。

同社は、今後もこうした人材交流の機会を設けるとともに、次期リーダーを目指す女性社員への研修など、さまざまな取り組みを継続し、女性従業員が長く活躍できる環境づくりに努める考えだ。

カテゴリー 社会貢献
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞1月16日掲載