会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2022年12月27日

自動車部品工業の経営動向調査 22年度上期、企業7割超が営業減益

2022年度上期は7割超の企業が営業減益―。日本自動車部品工業会(部工会、有馬浩二会長)がまとめた「自動車部品工業の経営動向(22年度第2四半期)」では、利益の確保に苦しむ部品メーカーの経営実態が浮き彫りになった。22年度上期は、自動車生産の回復傾向を追い風に増収を確保した企業が多かったが、原材料高騰などが利益を圧迫。通期業績見通しで、減益を見込む企業が半数に達した。

部工会の会員企業434社(11月1日現在)のうち、上場企業かつ自動車部品の売上高比率が50%以上であり、前年同期比較が可能な61社について経営動向を分析し、前年同期およびコロナ禍の影響を受けていない18年度と比較した。

部品メーカーの業績を左右する自動車メーカーの22年4~9月の世界生産台数は約4059万台と、前年同期から約378万台増えた。第1四半期は中国のロックダウン(都市封鎖)や半導体不足の影響を受けたが、欧州を除く各地域で生産台数が増加した。

こうした状況を背景に、自動車部品メーカー61社の22年4~9月の売上高合計は13兆2726億円となった。前年同期比では16・2%の2桁増、18年度比でも6・3%の増加だ。増収を確保したのは全体の93・4%に当たる57社に達した。

一方、営業利益は、原材料価格や輸送費、エネルギー価格などの高騰が影響し、前年同期比19・0%減の4110億円にとどまった。18年度比では41・0%減と大幅なマイナスだ。各社は固定費の圧縮や原価低減活動を強化しているものの、それだけではカバーできない実態が鮮明になっている。22年4~9月は全体の67・2%に当たる41社が増収減益となった。

61社合計の通期業績売上高見通しは前年度比15・2%増の27兆8980億円。コロナ禍前の18年度実績も9・6%上回る水準だ。自動車生産の正常化を下期に織り込んだもので、32社(52・5%)の企業が増収を見込む。

ただ、営業利益予想は厳しいままだ。原材料価格やエネルギーコストといった製造コストの先行きは依然として不透明なことから、28社(45・9%)の企業が減益予想を立てた。

18年度の通期業績との比較では、増収を見込む企業が約半数の33社(54・1%)なのに対し、営業減益を予想する企業は46社(75・4%)に上る。また、減収減益予想は25社(41・0%)である一方、増収増益を見込む企業も12社(19・7%)あった。この理由について部工会は、「取引先の生産状況や原材料価格などの外部環境によって、各社で回復のペースが異なっている」と指摘している。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞12月19日掲載