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2022年12月27日

ガチャコ 都内で電動二輪車用バッテリーシェアサービス開始

電動二輪車用のバッテリーシェアリング事業を手がけるGachaco(ガチャコ、渡辺一成代表取締役CEO、東京都港区)と東京都が、都内の駐車場(東京都新宿区)で電動二輪車のバッテリーシェアリングサービスを開始した。都では2035年までに都内で販売する二輪車の新車をすべて電動化する方針を掲げる。電動二輪車の本格普及に向けて、日本国内でもバッテリー交換ステーションを整備する動きが広がる。

ガチャコは、二輪車メーカー4社による共通規格に準拠した交換式バッテリーのシェアリングサービスを国内で展開する。東京でのスタートを皮切りに大都市圏から順次、展開エリアを拡大していく。バッテリー交換ステーションを増やしていくことで、電動二輪車を利用しやすい環境を整備する。

ガチャコは、ENEOS(エネオス)ホールディングスが51%、ホンダが34%、ヤマハ発動機、スズキ、カワサキモータースがそれぞれ5%ずつ出資して、4月1日に設立された。国内でバッテリー交換式電動二輪車市場を立ち上げるのが目的だ。

シェアリングサービス開始の式典では、小池百合子東京都知事も出席し「カーボンニュートラルに向けて二輪車の電動化も進めていく」と述べ、バッテリー交換ステーションの整備を追い風に、都内の二輪車の電動化を推進していく方針を示した。

ガチャコのサービスの契約基本プランでは、使用電力量に応じて「ショート」「ミドル」「ロング」の3つのプランを選択できる。基本料金の参考価格は、ショートが月額5500円(航続距離の目安=500㌔㍍)。プランでは使用できる電力量の上限が設定されており、これを超えると追加料金が発生する仕組みだ。

当面は、デリバリーサービス事業者など法人向けをターゲットとする。22年度内に東京23区を中心に、バッテリー交換ステーションを18カ所整備する計画で、23年度以降も着々と拠点を増やしていく予定だ。利用者の利便性向上を図って、需要を開拓していく。

最初のバッテリー交換ステーションは、ホンダが手がける「パワーパックエクスチェンジャーe:」となる。国内での設置は初めてで、海外ではインドで同機を使ったシェアリングサービス事業を今年スタートしている。ホンダでは二輪車の電動化に向けた課題である「短い航続距離」「長い充電時間」「高いバッテリーコスト」の3つを解決するため、交換式バッテリーのシェアリングサービスに期待する。

日本自動車工業会(豊田章男会長)は、大阪大学と共同で20年からバッテリー交換式電動二輪車の実証実験「eやんOSAKA」を実施してきた。

利用者へのアンケートによると79%がバッテリー交換の手間について「満足」と回答、バッテリー交換式サービスの受容性を確認できた。eやんOSAKAで得た知見は、交換式バッテリーシェアリングサービスを展開するガチャコにも生かしていくことで、国内での電動二輪車の普及と利用を促進していく。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞12月21日掲載