2022年12月22日
メルセデス・ベンツ日本 高価格帯モデル特化の旗艦店、東京・銀座にオープン
メルセデス・ベンツ日本(MBJ、上野金太郎社長、東京都品川区)は、高価格帯モデルに特化した販売拠点による顧客開拓に着手した。16日に系列販売会社が「スターズ@(アット)メルセデス・ベンツ銀座」(東京都中央区)を開設。「マイバッハ」や「AMG」など上級モデルをそろえる新業態の店舗で、上級モデルのユーザーを誘引する。
6日には電気自動車(EV)の専売拠点「メルセデスEQ横浜」(横浜市神奈川区)もオープンしている。同社はこうした新たなコンセプトの店舗の積極的な展開で、それぞれの顧客層にマッチした提案力を実現し、拡販に結び付ける狙い。
新拠点は銀座エリアにあるホテルの1階に入居。マイバッハやAMGといったメルセデス・ベンツのサブブランドのモデルや、オフロード車「Gクラス」といった上級モデルに特化した営業拠点に位置付ける。同エリアを訪れる高所得層を主な顧客に定める。運営はメルセデスEQ横浜と同様、ケーユーホールディングス傘下のシュテルン世田谷(板東徹行社長、東京都町田市)が担う。
新業態店として、大型のデジタルサイネージや可変式の内壁などにより、店舗レイアウトを柔軟に更新できる設備を世界で初めて採用した。完全予約制の商談スペースも設けた。新車展示台数は2台となっており、アフターサービスは近隣の店舗で受け付ける。
輸入車勢ではポルシェジャパン(フィリップ・フォン・ヴィッツェンドルフ社長、東京都港区)が、日本橋と銀座に新業態店「ポルシェスタジオ」を構える。
2023年春にはビー・エム・ダブリュー(BMWジャパン、クリスチャン・ヴィードマン社長、東京都港区)も上級モデルのユーザーに特化した会員専用ラウンジを東京都心に設ける計画。各社は既存の販売店とは異なる体験や顧客対応を提供できる拠点を整備することで、購買力の高いユーザーを取り込む狙いで共通している。
メルセデス・ベンツは、輸入車のブランド別販売台数で首位を守り続けるなど底堅い販売力を有する。一方、MBJによると、固定客の高齢化が中長期的な課題になっているという。
加えて、将来的に保有台数の減少や可処分所得の目減りが見込まれ、輸入車市場を取り巻く環境が厳しさを増す可能性もある。こうした中で、MBJでは世代を問わず、高所得層を取り込んでいくことで、国内市場での持続的成長につなげたい考えだ。
カテゴリー | 展示会・講演会 |
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対象者 | 一般,自動車業界 |
日刊自動車新聞12月16日掲載