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2022年12月19日

自動車大学校や整備専門学校 オートサロンに向け車両制作大詰め

来年の東京オートサロン(1月13~15日、幕張メッセ)に向け、自動車大学校や整備専門学校による出展車の制作が佳境を迎えている。企画づくりから部品の調達、板金塗装(BP)技術などさまざまな能力が磨けるとあって、学校側も積極的に後押ししている。今回はどんな車両が見られるか、注目のポイントの一つだ。

前回の「東京オートサロン2022」に出展した自動車大学校・整備専門学校は、①花壇自動車大学校②関東工業自動車大学校③群馬自動車大学校・東京自動車大学校④国際情報工科自動車大学校⑤埼玉自動車大学校⑥静岡工科自動車大学校⑦筑波研究学園専門学校⑧トヨタ東京自動車大学校⑨日産愛知自動車大学校・日産京都自動車大学校⑩日本自動車大学校(NATS)―の実に12校(五十音順)。

斬新な発想でベース車両のイメージを大きく変えたものから、年式の古いクルマをレストア(復元)して新車当時の姿によみがえらせるなど、自動車メーカーや用品メーカー、ショップなどが手掛けるカスタマイズカー(合法改造車)とは一線を画しているものも多い。

NATSは毎年、複数の車両を展示している。これまで24年連続で出展し、制作・展示した車両の総数は230台を超える。「東京国際カスタムカーコンテスト」で「最優秀賞」を8回受賞するなど、数ある学校勢の中でも一目置かれる存在だ。

22年のオートサロンでは、スズキ「ジムニーシエラ」をベースに5ドア化した出展車を持ち込んだ。メーカーによる5ドア仕様の登場が噂される中で、注目度の高い車両に仕立てた。この他にもスポーツカーのフロントマスクをベース車両に移植したり、往年の名車を現代風に再現したりするなど、学生らのアイデアが光る作品が目立つ。来年のオートサロンでは、どのような車両が登場するか見ものだ。

旧車をレストアして出展しているのは花壇自動車大学校。14年からオートサロンに毎年、出展しているが、教材車だったトヨタ自動車の「スプリンタートレノGT―APEX(AE86型)」を、フルレストアして20年に出展したところ大きな話題となった。これをきっかけに、翌21年にはマツダ「ユーノスロードスター」、22年には三菱自動車の「ジープ(J53型)」と相次いでレストア車を出展した。

新車状態への再現が基本だが、足回りや内装などは学生たちのアイデアをもとに若干のカスタマイズが施されている。フルカスタムともひと味違う出展車は、会場でも目を引く存在となっている。

時間を惜しんで出展車の制作に励む学生たちは、部品加工やパネル類の制作、塗装などさまざまな技術を駆使する。限られた制作期間中にトラブルはつきものだが、協力し合って乗り切ることで新たな絆も生まれる。

さらに、オートサロン会場で来場者の質問に答えたりと、社会人としての経験をひと足先に積む機会にもなる。自動車大学校や整備専門学校側もオートサロンへの出展を通じて、こうした仲間意識の醸成や社会人としての成長を期待している。

カテゴリー 展示会・講演会
対象者 大学・専門学校,自動車業界

日刊自動車新聞12月15日掲載