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2022年12月14日

ボッシュ 自動バレーパーキングシステム日本初披露、スマホ操作で車両移動

ボッシュは7日、「自動バレーパーキングシステム(AVP)」を日本で初披露した。今月中にもドイツで商業利用が始まる見通しだ。日本では来春の道路交通法改正で「レベル4」(特定条件下における完全自動運転)が事実上、解禁される見込み。同社は「レベル4はまず駐車機能から始まる」とみており、日本の自動車メーカーにも売り込む。

ドイツで利用が始まるAVPは、ボッシュとメルセデス・ベンツが共同開発した。シュツットガルト空港での利用をドイツの連邦自動車交通局(KBA)も承認した。2台分の専用スペースがあり、ベンツの「インテリジェントパークパイロット」を搭載した「Sクラス」、電気自動車(EV)「EQS」などが利用できる。

日本でのデモンストレーションではEQSと「EQE」を使用。駐車場に設置したカメラやLiDAR(ライダー、レーザースキャナー)などのセンサーが駐車場全体の状況を把握し、車両に指示を出す様子を再現した。

車両から降車後、スマートフォンのアプリを操作するだけで車両が駐車スペースに自動で移動する。乗車の際も同じ方法で車両が乗降エリアまで自走する。車両が人などを検知し、自動で停止する様子も再現された。

ボッシュはAVP技術を活用したさまざまなケースを想定する。例えば、駐車場内におけるEVの自動充電や、自動洗車などだ。また、工場内における輸送の自動化、レンタカーの自動貸し出し・返却なども視野に入れる。

AVPの開発を担うのが、昨年立ち上げた「クロスドメインコンピューティングソリューション事業部」だ。ソフトウエアとエレクトロニクスを集約した事業部で、ソフトウエアが車両進化を定義する「ソフトウエア・ディファインド・ビークル(SDV)」関連の開発を担当している。

同事業部による体験イベント「XCエクスペリエンスデイ」も今夏から世界で開いており、日本での開催に合わせてAVPが初披露された。

AVPのほか、コックピット周辺のディスプレーやカメラなどを1つのECU(電子制御ユニット)で制御する「インフォメーションドメインコンピュータ」、日本の交通環境に合わせた先進運転支援システム(ADAS)、フリート向けサービスとして車内での喫煙や車体の傷つきを検知する「ライドケア」も紹介した。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞12月9日掲載