会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2022年12月08日

ヤマハ発動機とティアフォー EVで無人搬送、商用サービス開始

ヤマハ発動機とティアフォー(武田一哉社長、名古屋市中村区)の合弁会社イヴオートノミー(米光正典代表取締役CEO、静岡県袋井市)は、無人運転の電気自動車(自動運転EV)を活用した自動搬送サービス「イヴオート」の提供を11月末に開始した。自動運転EVによる無人搬送の商用サービスは国内初。

最大牽引重量は1500㌔㌘で、導入工事なしで搬送を自動化できる。従来の無人搬送車(AGV)では難しい屋外利用も可能なことを訴求し、人手不足を背景に見込まれる自動搬送ニーズを開拓する。2023年度に200台、今後3年間で累計1千台の利用獲得を目指す。

ゴルフカートなどに使用されるヤマハ発のEV「ランドカー」をベースに制御用センサーやティアフォーの自動運転ソフトウエアを組み込んだ車両で搬送する。

サービスは、定期メンテナンスや自動走行用の地図編集、ルート設定といった運用サポート、専用保険などの付加サービスを含むワンパッケージのサブスクリプション(定額利用)型で提供。料金は1台導入の場合、月額38万円(消費税別)からに設定した。車両販売プランを23年度に用意する予定だ。

走行ルートは地図ソフト上に設定する。これにより従来のAGVでは欠かせなかった誘導線などの敷設工事を不要として運行経路設定の自由度を高めるとともに、誘導線の固定が難しい屋外での活用につなげた。歩行者やトラック、自転車などが混在する走行環境を前提に安全性を確保した。段差がある路面や夜間、多少の雨風の中でも安定して走行できるように仕上げた。

すでにヤマハ発の3工場のほか、パナソニック、富士電機など9社に先行活用してもらい能力を検証。23年にもヤマハ発の海外工場でテスト導入した後、海外展開を検討する。

米光CEOは「当初想定していた製造業以外の多様な業種でも人手不足解消の潜在的なニーズがあることが分かった。改善を続け、ニーズに応えられるサービスを提供していく」と意気込みを述べた。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞12月5日掲載