会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2022年11月17日

三菱オートリース EVバイクリース需要開拓、小口配送活用見込む

三菱オートリース(中野智社長、東京都港区)は、小口配送などで活用が見込まれる電気二輪車(EVバイク)のリース需要開拓に力を入れている。同社は試乗会を都内の自動車教習所で開催。EVバイクの試乗会は今回が初めてだったが、ホンダをはじめ4社が車両を出展し、複数銘柄の二輪EVを一度に体験できる珍しい機会となった。会場では物流事業者などの17社・27人にEVならではの加速性能や静粛性、充電設備を体験してもらい、新たな商機を探った。

三菱オートリースでは二輪EVの導入を検討する主な顧客層を、小口配送やデリバリーなどを手掛ける法人、個人事業主などと見ている。早朝に住宅街を走る新聞販売店からは、EVの静粛性を評価する声が挙がるなど、具体的な反響も得られているという。

一方、航続距離や整備性などの違いが、二輪EV導入の障壁となる。試乗会では各メーカーの担当者が自ら車両の仕様や特徴を説明することで、顧客の安心感の確保に努めていた。三菱オートリースの担当者にとっても「自分たちが取り扱う商品を改めて知る機会になっている」と、試乗会を指揮した井上晃一執行役員は手応えを示す。

同社は二輪EVの試乗会を「1年ほど前から構想していた」(同)という。今年に入り、四輪車のEV試乗会を開催するなど、利用者がEVを実際に体験できる機会を設けることで充電などに対する不安の払拭(ふっしょく)を図ってきた。リース事業者が自ら車両を用意して顧客を招く事例は従来まれだったという。

しかし、実施に当たってはメーカーやブランドが異なる車両の乗り比べを可能とするなど、複数銘柄を取り扱うリース会社ならではの強みを生かした。今後は全国で定期開催するとともに、試乗対象の車両ジャンルを広げていく考えだ。

同社はこれまでも法人向けを中心に、二輪車のリースを手掛けている。ただ、管理台数は8千~9千台ほどで、四輪車を含めた総台数に占める割合は5%未満にとどまる。四輪車に比べて本体価格が安いため、車両を購入する事業者も少なくないことが一因で、包括的、合理的に車両を管理できるリースの強みを生かし切れていなかったのが実情だ。

こうした中、二輪車にも電動化が波及すれば、リースの引き合いは強まると見る。二輪EVを効率運用できる仕組みを提案するとともに、車両を身近に感じられるような施策を打ち出し、二輪車リースでも存在感を高めたい考えだ。

カテゴリー 展示会・講演会
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞10月31日掲載