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2022年11月14日

日本損害保険協会 「全国交通事故多発交差点マップ」21年データ公表

日本損害保険協会(白川儀一会長)は、最新の「全国交通事故多発交差点マップ」を公表した。同マップは人身事故の半数以上が発生している交差点での交通事故の防止を目的に、損保協が毎年作成している。

今回明らかにした2021年のデータでは、前年と比べて人身事故の件数が増加傾向にあることが分かった。損保協では、ホームページで都道府県別のデータを掲載するとともに、交通事故の防止に関する情報も掲載して注意を呼び掛けている。

21年の全国の交通事故発生件数は30万5196件で、このうち交差点の事故件数は17万2656件と全体の56・6%を占めた。都道府県別の交差点事故件数で最も多いのは、大阪府の1万5675件。

次いで、東京都1万4044件、愛知県1万2597件、兵庫県1万1667件、神奈川県1万1515件、静岡県1万1021件、福岡県1万953件で、1都1府5県が1万件を超えた。一方、事故件数が最も少ないのは、鳥取県の287件。続いて、島根県473件、福井県545件、高知県610件、秋田県816件、和歌山県817件、岩手県822件となり、7県が1千件未満となっている。

交差点の事故件数のうち、人身事故が最も多く発生したのは、大原交差点(東京都杉並区)の29件で、前年の13件から16件増加した。

同交差点は国道20号(甲州街道)と環状7号が交差し、高速道路の支柱が視認の妨げとなっている。わき見運転や漫然とした運転につながり、前方車両や安全確認の不足が一因となった。また、渋滞が発生するため、停止時のブレーキの踏み込み不足による事故も起きている。

2位は池袋六ツ又交差点(東京都豊島区)の21件で、前年のトップ10圏外からランクインした。この交差点は国道254号に首都高速道路の支柱がある六差路で、支柱がドライバーの視界を妨げている。加えて、交差点が屈曲している構造であり、左右の確認不足に起因した事故が多数発生したとみている。

3位は梅新東交差点(大阪市北区)と阪和豊中交差点(大阪府泉大津市)の2カ所で、それぞれ19件。梅新東交差点は前年から1件増加した。大阪市の中心地近くに位置し、交差点の四隅に歩道橋の橋脚と階段があることに加え、駐輪防止柵の設置で見通しの悪化を招いている。

特に、左折時の安全不確認に起因する事故が目立つ。阪和豊中交差点は、前年の10位圏外から3位に浮上した。国道26号と市道が交わる交差点で、周囲に商業施設や飲食店が多く立ち並んでいることから、前方の確認不足や前を走る車の動きの不注視が事故の要因と分析している。

損保協のホームページで公開している都道府県別のページでは、ワースト5の交差点ごとに交差点の特徴や件数の多い事故類型の主な要因と予防策を紹介している。また、今年度の公表分からトップページの日本地図を大きくして見やすくしたほか、交差点での事故割合や全国で事故が多発している交差点トップ10を掲載し、ユーザーに分かりやすく伝えるように改良した。

損保協の全国交通事故多発交差点マップの情報は、地図メーカーのカーナビゲーションデータに反映され、交差点通行時の注意喚起の表示やアナウンスに活用されている。

カテゴリー 交通安全
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞11月9日掲載