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2022年10月19日

プラゴ、予約できるEV充電ステーション初開設 利便性向上で普及後押し

日本初の事前予約が可能な電気自動車(EV)用充電ステーションの導入を開始したプラゴ(大川直樹代表取締役CEO、東京都品川区)。都市部の商業施設を中心にEV充電ステーションを設置し、10月からサービスを開始する。

同社の調査では、東京都内でEVを所有するユーザーの約4割が自宅で充電できない環境にあることが明らかとなった。同社のサービスはこうしたユーザーの利便性向上を目的としており、EV普及の後押しにつなげる狙いだ。

サービス開始に合わせて、急速充電器「PLUGO RAPID(プラゴラピッド)」の提供を新たに開始した。従来提供している普通充電器「PLUGO BAR(プラゴバー)」と合わせ、2種類の充電器をEV充電ステーションで活用する。

事前予約が可能なEVステーションは企業と連携して開設する計画で、まずは商業施設などに設けていく。10月から12月にかけて、東京都と神奈川県、大阪府で計5カ所のオープンを予定する。急速充電器のプラゴラピッドの連続利用時間は60分に設定。スーパーマーケットなどの商業施設のほか、スポーツジムやゴルフ練習場などのスポーツ施設などの利用者の活用を想定している。

これまで、海外を含め事前に予約ができるEV充電ステーションは「ほとんどない」(大川CEO)という。サービスの提供については「私自身がEVユーザーで、外出先で充電器を利用するのに1時間30分待った」(同)経験をきっかけに、「確実に充電器が使えることが必要」(同)との思いが原動力となった。

また、同社の調査によると、都内在住のEVユーザーの約4割が、住宅事情により自宅で充電できないことが分かった。こうしたユーザーは、生活圏内の充電スポットを利用しているが、他のEVが利用中で充電できなかったユーザーも多い。このため、確実に使える同社のEV充電ステーションの導入が進めば、都市部でのEVシェアの拡大にも貢献する可能性がある。

同社は、EV充電ステーションの利用者に向けて、スマートフォン専用アプリ「My(マイ)プラゴ」を提供する。このアプリで、EVステーションの検索から空き状況の確認、予約、決済までに対応する。今後は自動車販売店や自治体、観光地、宿泊施設など幅広い分野でネットワークの拡大を予定しており、2025年末までに1千拠点で1万基の充電器設置を目指す。

大川CEOは「これまでもEVユーザーに寄り添ったサービスを提供している。設置した充電器が使われ、パートナー企業が良かったと感じてもらえるように進めていきたい」と意気込みを語る。同社の山﨑晴太郎チーフ・デザイン・オフィサー(CDO)は「皆で良い社会を作っていきたいと考えている。われわれのサービスを求めている所に広めていきたい」との方向性で事業を進めていく方針を示した。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞10月12日掲載