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2022年10月17日

東北の自動車関連団体 大型車の車輪脱落事故防止へ協議会設立

東北トラック協会や東北6県バス協会連合会、東北運輸局などの自動車関連団体は「東北地域事業用大型車の車輪脱落事故防止協議会」を設立した。東北管内で大型車の車輪脱落事故件数が多発していることを受け、事故予防のための施策を重点的に展開して課題解決を図る。仙台市若林区で発足のための会合が行われ、各団体の担当者が出席。協議会設立の議案が可決され、庄子清一会長を選出した。

東北管内では2021年度、45件の脱輪事案が発生した。東北運輸局は20年から事故防止キャンペーンを開始し、事故防止を呼び掛けてきたが、21年の件数は増加に転じ、高止まり傾向となっている。

東北運輸局が分析した、過去2年間の事故発生概要では、事業用大型トラックが全体の約7割を占めた。事故が発生した車両では、ドライバーがタイヤ交換を実施している割合が高く、半数以上が日常点検を省略していた。事故原因としてはホイールボルト、ナットの錆によるものが顕著で、整備事業者から交換を提案されても費用面から対応しないケースも多いという。

ボルト、ナット交換については、国土交通省が18年9月以前に登録された大型車を対象に緊急保守点検を実施する。交換が必要な場合は、メーカーから新品部品が無償提供される見通し。

協議会は、これらの取り組みと並行して施策を展開する。具体的には、事業者とドライバーに対し、タイヤ交換作業の適正化と日常点検の確実な実施を呼びかけるほか、各県のトラック協会会員事業者のドライバーに啓発動画を視聴してもらい、アンケートで理解度を把握して効果的な対策に役立てる。ステッカーやポスターなども活用してタイヤの状態確認を意識づける。庄子会長は「協議会を通じて意見を集約し、車輪脱落事故防止を実現したい」と意気込みを語った。

カテゴリー 会議・審議会・委員会
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞10月14日掲載