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2022年10月17日

三菱自、商用軽EV「ミニキャブ・ミーブ」再販 国内メーカー唯一モデル

三菱自動車は、国内メーカーで唯一となる軽自動車の商用電気自動車(EV)「ミニキャブ・ミーブ」の一般への販売を再開する。2011年に市場投入し、一旦生産を終了した同モデルを改めて本格的に販売する背景には、世界的なカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)実現に迫られる配送事業者などからのニーズの高まりがある。

また、小型商用EVの分野では中国メーカーが攻勢を強めており、これに対抗する狙いもある。この領域で三菱自が国内市場の主導権を握れるか、注目が集まっている。

ミニキャブ・ミーブの今年9月末時点の累計販売台数は1万489台。この間、軽商用EV販売のノウハウを蓄積し、耐久性や信頼性、アフターサービス対応力の向上を図ってきたものの、昨年度で生産を打ち切っていた。

しかし、政府が脱炭素化を推進する中で、日本の温室効果ガス排出量の約2割を占める運輸部門も対策が迫られていた。特に、日常業務で車両を使う配送事業者から、商用EVの引き合いが強まっており、本格的な販売再開を決めた。

また、13日の発表会で国内営業本部軽EV推進室の五島賢司室長は「競合が出てくることで、軽に限らず商用EVの分野が活性化し、顧客から関心を示してもらえる」と強調。日本でのシェア拡大に力を注ぐ中国勢を念頭に、販売拡大に取り組む意向を示した。

再販モデルは総電力量が16㌔㍗時の駆動用電池と小型・軽量・高効率のモーターなど量産EV「アイ・ミーブ」のEVシステムを搭載した。一充電当たりの航続距離は133㌔㍍(WLTCモード)。普通充電は約7時間で満充電となり、急速充電は約35分で80%まで充電できる。仕様は4シーターと2シーターの2モデル。月間販売目標は当初400台。水島製作所で生産する。

価格は従来モデルと同額で、2シーターが243万1千円、4シーターが245万3千円(いずれも消費税込み)。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞10月14日掲載