2022年9月09日
川崎重工 二輪車向け水素エンジン初披露、四輪バギー搭載デモ走行
川崎重工業子会社のカワサキモータースは3日、二輪車向けに開発した水素エンジンを初披露した。同社のオフロード四輪車に開発中の同エンジンを搭載し、スーパー耐久レース第5戦開催中のモビリティリゾートもてぎ(栃木県茂木町)でデモ走行を行った。同エンジンは国内二輪メーカー4社をはじめトヨタ自動車などで二輪車および小型モビリティ用水素エンジンの研究用素材として活用する。
水素エンジンは、大型バイク「NINJA H2」の998cc4気筒スーパーチャージドエンジンをベースに直噴仕様に変更した。エンジン内部に水素を供給するインジェクターはデンソー製を活用、水素タンクはトヨタの燃料電池車(FCV)「ミライ」のものを流用した。二輪車でなく四輪バギーに搭載したのは水素タンクや計測器などを搭載するためだという。
川崎重工業の橋本康彦社長は、二輪車用水素エンジンについて「昨秋、トヨタの豊田章男社長から『二輪、四輪の枠を超えて取り組んではどうか』と言葉をもらい、心に火が付いた」と述べ、急ピッチで開発を進めたという。トヨタは開発中の水素エンジンを搭載した「GRカローラ」でスーパー耐久にフル参戦し、レースの過酷な環境で実用化に向けた課題解決を進めている。
もてぎのロードコースで行った研究用オフロード四輪車のデモ走行では、豊田社長の運転で橋本社長が同乗した。豊田社長は「1年弱でこれだけものになって出てきた。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)に向けさまざまな選択肢があることに注目してもらいたい」と語った。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞9月6日掲載