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2022年8月31日

政府、23年度概算要求 クリーンエネルギー車導入促進補助金予算を倍増

政府は来年度、過去最高水準の補助金で電気自動車(EV)などの普及を後押しする。経済産業省は2023年度予算概算要求で、電動車や充電インフラの補助事業に充てる予算を今年度当初予算からほぼ倍増させる。日本の自動車メーカー各社も来年以降、EVの品ぞろえを増やす予定だ。官民で足並みをそろえ、「35年までに新車(乗用車)販売を電動車100%とする」という目標の達成に向けて弾みをつける。

経産省が予算を増額するのは「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」などの補助制度だ。CEV補助金は1998年度に創設され「エネルギー対策特別会計」の一部を財源とする。車両の場合、EV、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)などが補助対象で、EVなら最大85万円の補助金が出る。

CEV補助金は過去に300億円規模の予算を手当てしていた時期もあったが、ハイブリッド車(HV)が補助対象から外れ、ここ5年ほどの事業費は年間130億~160億円で推移していた。

23年度は約410億円を求める。今年度は「CEV導入促進等補助金」で155億円、「FCVの普及促進に向けた水素ステーション整備事業費補助金」で90億円の合わせて245億円を当初予算として確保しており、来年度はこの1・7倍近い規模になる。要求額には水素ステーションの整備費も含むが、12年度の444億円に近い水準となる。

HVの普及が先行した日本市場では、輸入車がEVの先導役だった。しかし、今年に入ってトヨタ自動車やスバルがEVを発売し、日産自動車と三菱自動車が軽EVを発売するなど、国産EVが増えつつある。来年以降、ホンダやスズキ、ダイハツ工業などもEVの発売を予定する。

政府は、日本の自動車メーカーの強みである「全方位」の技術開発を今後も支持する考えだが、国産EVの品ぞろえが増えるタイミングで補助金を充実させ、35年目標やカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出実質ゼロ)の達成に向けて弾みをつけたい考えだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞8月27日掲載