会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2022年8月01日

経産省製造産業局自動車課長に就任した清水淳太郎さん

課長補佐時代に2005年施行の自動車リサイクル法の制度設計に携わるなど、自動車業界とのつながりは深い。制度づくりで中古車事業者やリサイクル事業者と意見交換を熱心に行うなど「現場の声を大切にする」姿勢を貫いた。電動化やデジタル化など業界全体が変化の潮流にある中、自動車課長に就いた。「この変化にこそビジネスチャンスがある」と期待を込める。

電動化については「可能性と課題がそれぞれクリアになってきた」と現状を見る。戦略物資になりつつある電池では価格と航続距離の両立に重きを置き、新車市場に加え新興国を含めた世界全体の保有市場の脱炭素化の必要性も説く。「(充電設備などの)インフラ整備を(車両投入より)少し先行してやるべき」と認識し、行政としても支援を進める考えだ。

燃料電池車(FCV)では、特に商用車のサプライチェーン(供給網)構築に早急にとりかかる。日本の強みである内燃機関を生かすために合成燃料の開発支援も重視するなど、全方位体制で多様な技術を追求する。

年末に控える自動車税制改正では「モビリティの将来像をどう描くかが重要」と話す。電動化が進めば内燃機関車がベースの課税根拠は失われ、MaaS(サービスとしてのモビリティ)が普及すれば受益者負担の原則も変える必要が出てくる。目指す社会像を共有し、それを実現するためどうすべきか、今年から議論していく。「自動車産業の活性化が日本経済の発展につながる」とし、自動車業界の成長を阻害しない税体系を目指す。

米ハーバード大学への留学やインドへの赴任など、キャリアの転機になる時は「いつも自動車がライフパートナーだった」と振り返る。夫人との初デートで西伊豆にドライブに行った際、帰り道でエンジンがかからなくなってしまったという淡い思い出も。休日にはその夫人と趣味の食べ歩きに出かけ、手料理を家族に振る舞うなど家庭人の一面も持つ。野球観戦も好きで、中日ドラゴンズのファン。

〈プロフィル〉しみず・じゅんたろう 京都大学経済学部卒、2000年に通商産業省(現経済産業省)入省。大臣官房秘書課政策企画委員、人事企画官などを経て、19年に資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー課長。21年7月から大臣官房参事官兼製造産業局自動車課自動車戦略企画室長、22年7月から現職。1977年1月生まれ、45歳。愛知県出身。

カテゴリー 人事
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞7月28日掲載