自動車事故対策機構(ナスバ、中村晃一郎理事長)は、法務省東京矯正管区(松村憲一管区長)から交通事犯受刑者の特別改善指導への協力に対する感謝状を授与された。初犯の交通事犯受刑者を収容する市原刑務所(千葉県市原市)の吉川和成所長がナスバ本部(東京都墨田区)を訪れ、中村理事長に感謝状を手渡した。

ナスバは市原刑務所の依頼を受けて、2015年から毎年1~3回のペースで「重度後遺障害者及びその家族の実態について」を題材に、交通事故被害者の視点を取り入れた講義を実施。

被害者支援や自動車事故防止に取り組んできた知見を生かして「重度障害を負った当事者の苦痛」をはじめ「家族の介護の苦労」「交通遺児の不安」「周囲からのいわれのない誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)による精神的苦痛」などの悲惨な状況を家族に代わり受刑者に伝え、再犯の抑止を促してきた。

講義はこれまでに通算14回行い、今年度も実施を予定するなど継続的な協力が評価され、感謝状が授与された。中村理事長は「これまでに述べ50人以上の受刑者に講義を聞いてもらった。受刑者が2度と事故を起こさないように、われわれの使命として続けていきたい」と抱負を述べた。