会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2022年7月25日

国交省 自動車損害賠償保障制度、改めて広報活動強化

国土交通省は、自動車事故被害者と自動車ユーザーに向けて自動車損害賠償保障制度の広報活動を強化する。同省による交通事故被害者への支援制度と自動車事故対策機構(NASVA、中村晃一郎理事長)の活動内容をはじめ、被害者とその家族らの現状や被害者支援などをめぐる財源の状況を紹介するポータルサイトを今秋にも運用開始する。

交通事故被害者らに必要な支援を漏れなく享受してもらうとともに、来年度に予定する自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の保険料上乗せについて自動車ユーザーの理解を得ることを目的とする。

自動車事故の被害者支援や事故防止対策が自賠責の枠組みで行われていることの理解促進やNASVAとその活動内容の認知度が非常に低いことが、同制度の広報活動を改めて強化する背景にある。

自動車事故被害者らに各種支援を活用してもらうとともに、自動車ユーザーが負担する自賠責保険料を原資とした運用益収入や賦課金の活用方法を周知するためにも必要な取り組みであると判断した。

広報基盤となるポータルサイトでは、被害者支援と事故防止対策をクルマ社会の安全・安心確保に向けた「両輪」として取り組んでいることや、NASVAの取り組みなどを分かりやすく紹介する予定。

自動車事故被害者らに向けた情報提供の手段では、ポータルサイトなどインターネットを通じたものだけではなく、被害者支援を説明したリーフレットなどを保険会社や病院を通じて配布することも行う。

自動車ユーザーには、自賠責保険の加入促進と合わせた自動車事故被害者支援・事故防止対策、財源への理解促進に努める。今秋からインスタグラムやユーチューブなどSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)も活用し、世代やメディアの特性を踏まえた広報活動を展開。関係団体の協力を仰ぐことも検討する。

有識者や関係団体の関係者らで自動車事故被害者救済対策などを話し合う「今後の自動車事故対策勘定のあり方に関する検討会」で、国交省やNASVAによる既存の被害者支援・事故防止の効果検証や新規施策の検討なども進められてきた。広報活動の取り組み強化は新規施策の一環。

委員からは「(賦課金増額の)制度導入に向け新たな負担をユーザーに強いる前に、最優先で行うべき事業」との意見のほかにも、「必ず自動車ユーザーの目に必ず触れ、あまねく(広報ツールを)渡せる仕組みが必要」「賦課金を導入するに当たりわかりやすく説明をする必要がある」などの指摘も挙がった。今冬にパブリックコメントの実施も予定する。

カテゴリー 交通安全,会議・審議会・委員会
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞7月22日掲載