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2022年7月04日

伊予鉄グループ、北九州の企業と業務提携 バス車両EV化を加速

伊予鉄グループ(清水一郎社長、愛媛県松山市)と商用電気自動車(EV)の開発・販売などを手がけるEVモーターズ・ジャパン(佐藤裕之社長、北九州市若松区)は、業務提携契約を締結した。伊予鉄グループはEVモーターズ・ジャパンに1億円を出資。バス車両のEV化促進に向けて、車両の販売やメンテナンスなどで相互協力体制の構築を目指す。

伊予鉄グループは、業務提携を機にEVモーターズ・ジャパンから電気バス(EVバス)の点検・整備などに関するノウハウを譲り受ける。関連会社に大型車ディーラーを持つ強みも生かし、将来的には四国全域のEVバスのメンテナンス需要を取り込みたい考え。EVモーターズ・ジャパン製のEVバスや電気トラック(EVトラック)の販売も視野に入れる。

関連会社の伊予鉄バスが、12月にEVバス2台を導入する。そのうちの1台がEVモーターズ・ジャパンの大型EV「F8」。定員は78人で、満充電走行可能距離は約280㌔㍍。日野自動車の小型EVバス「ポンチョEV」とともに国などの補助を活用して導入する。急速充電器1基を松山市内の営業所に設置する。

EVモーターズ・ジャパンは来年度以降も継続して伊予鉄バスから車両を受注する予定で、販売増が期待できる。第三者割当増資で伊予鉄グループなどから調達した約2億円の資金を研究開発などに充てる予定で、製品ラインアップの拡充を目指す。

6月28日に行った記者会見で、伊予鉄グループの清水社長は「カーボンニュートラルは喫緊の課題。EVバスの普及を目指したい」と、業務提携の狙いを話した。EVモーターズ・ジャパンの佐藤社長も「エネルギーがない日本でEVバスは一つの答えになる。業務提携によって四国にとどまらず全国に広げていきたい」とEVバス普及に意欲を示した。

伊予鉄グループでは鉄道、バス、タクシーなど公共交通事業のほか、愛媛日野(鎌田清貴社長、愛知県松山市)とマツダオートザム伊予鉄松山を運営する伊予鉄オート(松崎秀社長、愛媛県松山市)のディーラーも展開している。

EVモーターズ・ジャパンは、2019年4月に設立。商用EVと充電ステーションの開発、販売、サービスなどを手がける。同社製の量産型商用EVは、低電力化とバッテリー長寿命化などを強みとした独自開発のモーター制御システムを活用していることが最大の特徴だ。

現在、本社を置く北九州市に商用EVの最終組立工場の建設準備を進めている。国内生産に移行してコスト低減や生産スピードの迅速化を図ることで、生産台数の拡大と販売増を目指す。

カテゴリー 会議・審議会・委員会
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞6月30日掲載