会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2022年6月23日

「免許返納後生活に支障?」 地方中心に〝不便と感じる〟割合高く

自動車運転免許の返納後の生活に支障が出ていると感じている人が、地方で多いことが分かった。中古車買い取り比較サイトを運営するウェブクルー(藤島義琢社長、東京都世田谷区)が実施した調査によると、「運転免許を返納後、生活に支障はありますか」との問いに「不便だと感じる」と答えたのは、四国で半数近くに上った。

また北陸・甲信越や九州、北関東などでも不便を感じている人の割合が4割前後となっており、免許返納者が増加した場合の対策の必要性が改めて浮き彫りとなった。

調査結果をみると、公共交通網が発達する都市部では返納後の生活に不満が少ない傾向が見て取れる。返納後の生活について「支障なく快適だ」と答えた人の割合は、首都圏を抱える南関東が17・6%、近畿が21・1%と他の地域と比べて高かった。一方、「不便を感じる」とした人の割合は四国45・5%、北陸・甲信越40・0%と半数に迫った。北関東も35・7%と高水準だった。

「返納後に利用する移動手段」については、「家族による送迎」が59・1%と圧倒的に多かった。免許返納者の日常の移動を支えるため、周囲の負担が増えるケースが少なくないようだ。次いで多いのが「徒歩」で43・8%。公共交通はバスが35・8%、電車が25・2%となった。

今後は免許返納者の自動車に変わる新たな「足」を確保する取り組みが一層欠かせなくなるとみられる。一部の新車ディーラーでは、電動車いすなど免許返納者向けの新たなモビリティの販売に力を入れている。新事業として地域のコミュニティーバスなどの運行を手掛けるディーラーも徐々に増えている。こうした動きは今後、自動車流通の業界でさらに活発化していく可能性がある。

同調査は、4月6~11日の期間に、同社が運営する「ズバット車買取比較」などの利用者を対象に実施した。回答数は2173人で、内訳は男性1717人、女性442人。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞6月15日掲載