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2022年4月11日

ホンダとGM、EV開発提携を世界規模に 27年から量産価格帯商品展開

ホンダとゼネラル・モーターズ(GM)は5日、電気自動車(EV)開発の提携関係をグローバルに広げると発表した。両社の世界生産拠点で製造することを視野に設計した量産価格帯のEV商品群の展開を2027年に開始する。プラットフォームやバッテリーの共通化に加え、生産拠点の相互活用を進めることで価格競争力を高める。

新商品群のEVは累計数百万台規模で生産、販売する計画だ。高付加価値モデルでは米テスラなどがビジネスモデルを確立し、ホンダもソニーとの提携などで商品開発を進める。一方、EVのコストは高く、市場規模が大きい普及価格帯はEVへの置き換えが難しいのが現状だ。ホンダはGMとの協業を拡大し、EVシフトを加速する。

ホンダは24年にGMが開発したプラットフォームやバッテリーを採用したEV2車種を北米市場に投入する方針だが、次のステップとして27年以降に両社で開発する次世代バッテリーを搭載した新しい商品群を北米を皮切りにグローバルに展開する。ホンダは価格帯について明らかにしていないものの、GMは約3万ドル(約360万円)で販売するシボレー「エクイノックスEV」を下回る価格のEVを投入するという。

北米以外の展開地域は検討中だが、GMは中国や南米にも展開する方針を示しており、ホンダも先進国のほか、豪州や東南アジアなどでの展開も視野に投入地域を検討する。EVの共同開発とは別に、全固体電池など次世代技術の開発に向けた検討も始める。

40年に内燃機関搭載車の販売を終える方針を示すホンダは、GM以外との協業も加速している。中国では22年に現地の合弁企業2社と共同開発したEVを投入し、24年には輸出も視野に入れたEV専用工場を新設する方針。さらに3月にはソニーと共同でEVを開発する方針を発表した。

一方、単独でのEV開発も進めており、日本には軽規格のEVを24年に投入。GMと協業する北米についても20年代後半にホンダが独自開発するEVを発売する。それぞれの戦略ごとの〝線引き〟は不明瞭な部分も少なくないが、まずは技術や顧客ニーズの先行きが読みにくい中で多方面に開発の手を広げることで40年のゼロエミッション車100%達成に向けた土壌を作っていく考えだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞4月6日掲載