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2022年3月22日

国交省、「キャンピング車」構造要件改正 室内高や乗車定員規定を緩和

国土交通省は4月1日付で、「キャンピング車」の構造要件を改正する。キャンピングカーに義務付けられている室内高や乗車定員の規定を事実上緩和するもの。2001年に国交省がキャンピング車の構造要件を定めて以来、初めての改正となる。

キャンピングカーの車体構造の自由度が高まることから、架装事業者などで、これまで以上にユーザーニーズを反映した利便性の高いキャンピングカーの開発や生産が可能になる。各事業者では今回の改正を追い風に、キャンピングカーの更なる市場拡大につなげていきたい考えだ。

国交省は「自動車の用途区分について(依命通達)」の細部取扱いの変更を今月公表。キャンピング車の室内高に関して「上方には有効高さ1600㍉㍍以上の空間を有していること」としていた留意事項を変えた。国交省は4月以降、室内高1200㍉㍍以上を基準としていく方針となる。

これにより、ミニバンや軽自動車をはじめ、これまで架装が難しかったモデルもキャンピングカーにできるようになる。ベース車の選択肢が広がることで、さらに多様なユーザーの要望にも応じられやすくなるメリットがありそうだ。

また、構造要件で定めていた乗車定員に対する就寝定員の最低数も緩和した。従来は乗車定員3人以下の車両では2人以上の大人用就寝設備が必要だった。これを定員2人以下で、最低1人の就寝設備があれば要件を満たす形に改めた。これにより、1人分のベッドの設置スペースを確保できればキャンピングカーとすることができ、従来よりもコンパクトな車両をベース車にすることが可能になるとみられる。

キャンピングカーの構造要件は、1990年代に税制の優遇などを受けるため、不正なキャンピング車の登録申請が横行していたことから制定された。今回は21年ぶりの大幅な見直しとなる。

一連の改正は昨年6月に発足した自民党の議員などで構成する「キャンピングカーとくるま旅の普及を実現する議員連盟(古屋圭司会長)」が要望していたもの。3月に開かれた同議連の総会でも成果が報告された。総会には業界団体を代表して日本RV協会の荒木賢治会長も出席。同議連や日本RV協会では今後も、キャンピングカーの更なる普及に向けた制度見直しなどを関係省庁に働きかけていく考えだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞3月16日掲載