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2022年3月18日

国交省、路面太陽光発電の実用化へ技術・法制度検討 高速道や道の駅想定

国土交通省は、路面太陽光発電の実用化に向けた取り組みを加速する。高速道路、道の駅、車道における太陽光発電設備の導入・利活用を想定し、今後実施する実証実験などで得た結果や課題を踏まえて、同設備設置のための技術指針や法制度を検討、策定する。

道路分野のカーボンニュートラル実現と再生可能エネルギーの活用につなげる施策の一環。道路空間で創出した再エネを電気自動車(EV)の充電電力、大規模災害時の情報通信機能や電源の安定確保にも生かす。

国交省では、道路空間を活用した太陽光発電設備の導入拡大に向けた課題を探るため、東九州自動車道のトンネル坑口付近などに同設備を試験的に導入している。今後は、各所に設置した同設備の課題を踏まえ、設置箇所、地形条件、設置方法、管理方法、送電方法など同設備を設置するための技術指針を検討、策定する。

路面太陽光発電は道の駅や車道での活用も想定。屋外環境での性能確認試験を行い、法制度と技術基準を検討する。道の駅を防災拠点、災害時の対応拠点としても位置付ける。情報通信機能や電源を安定的に確保し、道路管理者が適切に災害対応を行えるようにするため、耐災害性を高める新技術の導入も検討する。

昨年末に発電・蓄電技術と通信技術を対象とした技術公募を実施済みで、路面太陽光発電も対象の一部とした。車道での同設備設置については今後、公募で設置者を募る予定だ。

国交省道路局の調べによると、道路における再エネの年間発電量は、道路の年間電力消費量の約0・4%に過ぎないのが実情だ。再エネ発電の構成割合は、太陽光発電が254カ所の96・9%と圧倒的に大きい。

道路の電力消費量の約6割を占めるのは道路照明、トンネルでの使用。道路照明のLED化や道路管理・道路工事における低炭素材料の活用など道路のライフサイクル全体の省エネ化を進めているが、道路空間でのエネルギー創出と再エネへの転換を推し進めることが道路分野のカーボンニュートラル実現に不可欠だ。そのためにも、実用化と普及に向けた官民一体での課題解消が急がれる。

カテゴリー 社会貢献
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞3月15日掲載