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自動車産業インフォメーション

2022年3月07日

国交省と警察庁 カーナビに走行速度抑制区域反映を協力要請

国土交通省と警察庁は、カーナビゲーションシステムメーカーと地図会社に、製品やサービス上で自動車の走行速度を抑制する区域「ゾーン30プラス」の地図表示や進入時の注意喚起などの情報提供の協力を求める。自動車メーカーや日本デジタル道路地図(DRM)協会などを通じ協力要請する。

官民で道路構造や交通規制などのデータを利活用してドライバーに注意を促し、生活道路における歩行者などのさらなる安全性の確保につなげる。

ゾーン30プラスは、最高速度30㌔㍍/時の速度規制区域「ゾーン30」(2021年3月末時点で全国約4千カ所を整備)に加え、路面に凸部をつけた「ハンプ」や狭さく、クランクなどを設けた区域を指す。生活道路における人優先の安全・安心な通行空間を整備することが狙いで、昨夏から全国で設置を進めている。

国交省と警察庁は、自動車メーカーなどを通じ、カーナビメーカーに製品上でゾーン30プラスの進入時の注意喚起や速度抑制、進入回避を促す情報提供の協力を求める。製品やサービスを通じた企業間の競争領域となることから要請に強制力はなく、採用の可否は各社の判断に委ねる。近く日本自動車工業会に対し説明会を開く予定だ。

ゾーン30プラス区域の情報はDRM協会を、交通規制情報(オープンデータ)は日本道路交通情報センター(JARTIC)をそれぞれ通じて、地図会社とカーナビアプリの開発・販売企業に提供。地図会社とカーナビメーカーが連携してゾーン30プラスの情報提供に取り組んでもらいたい考えだ。

現在、カーナビでは市街地の細街路(幅員5・5㍍未満)は、出発地、経由地、目的地付近を除いて表示しないことを基本としている。ゾーン30区域の地図表示や回避ルート検索などの機能を搭載したカーナビやアプリも増えたが、国交省と警察庁は生活道路における歩行者や自転車のさらなる安全性の確保を図るためには、ゾーン30プラス内の進入回避など注意喚起による追加の安全対策が必要と判断した。

国交省は、40年に向けた道路政策の中長期ビジョンを策定し、社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会で実現に向けた議論や検討を行っている。その中でCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)によるモビリティ分野の技術革新や人工知能などデジタル技術と連携した将来の道路像なども官民で議論を進めている。

カテゴリー 交通安全
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞3月4日掲載