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2022年3月04日

国交省、大型車の車輪脱落で実態調査 タイヤ脱着作業・保守管理

国土交通省は、大型車のタイヤ脱着作業・保守管理に関する実態調査を運送事業者、自動車整備事業者、タイヤ専業店を対象に3月から始める。近年、増加傾向にある大型車の車輪脱落事故の推定要因として、適切なタイヤの脱着作業や保守管理が行われていない事案が散見されているためだ。

使用過程のホイール・ボルトとホイール・ナットの性能確認を行う実証実験と、海外における車輪脱落事故の実態調査も実施する。各調査結果と分析を基に事故防止対策を検討し、早ければ9月にも報告書を発表する。

タイヤ脱着作業・保守管理状況に関する実態調査は、大きく2つに分けて行う。

1つは「タイヤ脱着作業の実態調査」で、対象は運送事業者や自動車整備事業者、タイヤ専業店だ。ホイール・ボルトとホイール・ナットの清掃状況や潤滑油塗布状況、タイヤ取り付け時の管理状況などを調査する。もう1つは「タイヤの保守管理の実態調査」。運送事業者を対象に、日常点検の実施状況やインジケーターの活用状況などをヒアリングする。いずれも全国20~30社の協力を得て行う。

車輪脱落事故が起きた際には、関係者に対する調査に加えて、現地に赴いて事故車両のホイール・ボルトとホイール・ナットの劣化状況なども調査する。

また実証実験では、使用過程のホイール・ボルトとホイール・ナットを市場から回収して性能確認を行う予定だ。詳しい実験内容は3月から検討を始め、5~7月に実証実験を実施する。海外における車輪脱落事故の実態調査は、欧米、英国、豪州などを対象に検討している。

2月24日に立ち上げた「大型車の車輪脱落事故防止対策に係る調査・分析検討会」とともに、一連の調査や実証実験の結果を分析して報告書案と事故防止対策の検討などを進めていく。秋頃までに3回程度検討会を開催し、取りまとめる予定だ。

構成員には、自動車技術総合機構交通安全環境研究所、日本自動車研究所、日本自動車工業会、全日本トラック協会、日本バス協会、日本自動車整備振興会連合会、全国タイヤ商工協同組合連合会、日本自動車タイヤ協会、日本自動車機械器具工業会の関係者が参画する。次回の検討会は5月頃の開催を予定している。

カテゴリー 交通安全
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞3月1日掲載