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2022年2月28日

ボッシュ ソフト重視の開発体制へ、横浜に拠点集約

ボッシュ(クラウス・メーダ―社長)は24日、自動車の進化をソフトウエアが担う「ソフトウエア・ディファインド・ビークル(SDV)」に対応する研究開発拠点を、横浜市都筑区内に新設すると発表した。投資額は日本法人として過去最大となる390億円で、2024年9月に竣工する予定。東京・渋谷区にある本社も含めて都内・神奈川県に展開しているうちの8カ所の機能を移転・集約、2千人が勤務する。

今後数年間でソフトウエアやAI(人工知能)に強い人材200人以上を採用する計画。自動車業界のトレンドである電動化や自動運転の実現に不可欠なソフトウエアの研究開発体制を強化して、SDVを推進する自動車メーカーのニーズに対応していく。

同社は21年1月、自動車業界で加速するSDVに対応する新しい組織「クロスドメインコンピューティングソリューションズ事業部」を立ち上げた。事業横断的にソフトウエアとエレクトロニクスに関する研究開発を進めるのが目的で、複雑化、高度化する次世代車両システムの開発に取り組んでいる。

新設する研究開発拠点は、SDVを全社的に推進するためのもので、事業部門の垣根をなくしてSDVに対応した研究開発を推進する。新社屋には車両制御、先進運転支援・自動運転、HMI(ヒューマンマシンインターフェイス)、車載ソフトウエア、オートモーティブアフターマーケットなどの各部門やグループ会社を移す。

事業部の枠を超えて、従業員同士の連携を促進することで「多くの先駆的なアイデアを生み出す」(メーダ―社長)方針だ。

ソフトウエア開発体制の強化やAIの活用を本格化するため、これらに強い人材の採用にも注力する。親会社のロバート・ボッシュグループがグローバルでソフトウエア人材の採用を増やしており、日本法人も今後数年間で200人以上の採用を計画している。新社屋は「ソフトウエアやAIに精通した社員を増やしても十分に対応できるだけの広さを確保する」(同)としている。

約2㌔㍍離れ、同じ都筑区にある既存の研究開発拠点はパワートレイン関係の研究開発と二輪車・パワースポーツ事業のグローバル本部として継続する。新拠点の稼働後、同区内2つの研究開発施設に日本のボッシュグループ全体の4割以上の従業員が集約することになる。また、パワートレイン関連は、埼玉県東松山市にある研究開発拠点でも継続する。

一方、新拠点の敷地内にはボッシュが事業主となって都筑区民文化センターを併設、官民一体による街づくりにも参画する。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞2月25日掲載