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2022年2月10日

東京バス協会会見 乗り合い、貸し切りともコロナ禍で苦境

東京バス協会(会長=南正人国際興業社長)が3日に開いた会見で、コロナ禍によるバス事業の苦境が明確になった。乗り合いバスは、輸送人員と運送収入がともに前年度から2割以上減少するとともに、100台以上の減車に追い込まれた。貸し切りバスは、昨年後半に新型コロナウイルス感染症の流行が一旦落ち着き一時盛り返したものの、年明けに新たな変異株「オミクロン株」の感染が拡大し、需要が再び蒸発したという。

乗り合いは、輸送人員(20年度)が5億9835万8千人で前年度比26・2%減、運送収入が1017億1200万円で同26・6%減に落ち込んだ。車両数(21年9月末現在)は6639台で、前年比128台減となった。

東京と全国の20年4月以降の月間輸送人員を比べてみると、一般路線バスは双方とも同程度の落ち込み幅だった。しかし高速(含む空港連絡)バスは東京の方が悪化しており、20年4月は前年同月比85・5%減に下落した。丸山荘路線部会長(京王電鉄バス社長)は「東京への移動減とインバウンド需要消失で東京の方がより悪化した」と説明した。

東京都のシルバーパス発行枚数を見ても、直近1年間(20年10月1日~21年9月30日)が102万8452枚になり、前期比1万1955枚減少した。発行枚数の減少は14年ぶり。

貸し切りは、昨年末まで緩やかに回復していたものの、今年1月の連休後に大きく落ち込んだという。宮本克彦副会長(東都観光バス社長)は「戻っていたのは学校関係。オミクロン株は学校で感染が広がっており、貸し切りには致命的。うちは約200台あるが、今動いているのは1桁だ」と苦渋の表情で語った。

減車は20年に190台あったが、21年には6台にとどまった。乗り合いと減車のピークがずれたことについては「乗り合いはすぐには減らせない。さらにコロナ禍収束を見据えて20年は減車を控えていたこともある」(南会長)として、コロナ禍は乗り合い、貸し切り問わず20年から影響していると説明した。

カテゴリー 会議・審議会・委員会
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞2月7日掲載