会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2022年2月09日

ホンダ ダイバーシティ加速、取り組み開始から15年

ホンダがダイバーシティ(多様性)の推進を加速している。15年近く前から取り組んできた女性支援に加え、近年は男性の育児休暇取得推進も積極化。女性だけではなく、LGBT(セクシャルマイノリティ)や家族の介護が必要な従業員などにも支援の対象を広げる。自動車業界は、電動化や自動化などの技術進化で競争が激化し、市場ニーズの多様化も進む。多様性に富んだ人材の活躍を後押し、競争力の向上を図る。

ホンダが、女性が活躍する機会の拡大に向けた取り組みを本格的に開始したのは2007年。社内での啓発活動や仕事と育児の両立を支援する制度の導入、キャリアサポートプログラムに取り組んできた。結果的に女性従業員の比率は上昇。20年度には女性管理職の比率も14年比で2・6倍の水準にアップした。

女性管理職の比率のさらなる向上を目指し、若手の段階でキャリア形成の実現に向けた教育活動を強化する。25年には20年度の3倍、30年には4倍に引き上げたい考えだ。

「性別にかかわらず誰もが等しくキャリアを描ける世界の実現を目指す」という考えから男性の育児休暇取得にも力を入れる。25年には男性育児休暇の取得率を30%以上に高める。20年度に育児休暇を取得した男性の人数は170人と16年度実績の5倍超に増加しているものの、対象者全体に占める比率はまだまだ高くない。育休取得の拡大に向けた啓発活動を推進し、目標達成を目指す。

育児休暇とともに介護休暇の取得もサポートする。16年度に11人だった利用者数は、介護休暇支援制度を拡充した19年度に376人に一気に拡大。20年度には512人に増えた。

19年から本格的に取り組むのがLGBTの従業員も働きやすい職場環境づくりだ。19年に経営層向けのセミナーを、20年には管理職を対象とした研修を始めた。従業員向けには専用の窓口を設置し、気兼ねなく相談できる環境を整備する。

ホンダのほか、大手企業の多くがダイバーシティを進めるが、多様な人材を揃えただけでは意味がない。従業員が互いに多様性を受容する意識の醸成を推し進めて、それぞれが持っている個の力を最大限に引き出す考えだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞2月5日掲載