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2022年1月24日

自動車大学校・整備専門学校 個性あふれるカスタムカー披露

2年ぶりに幕張メッセ(千葉市美浜区)で14~16日に開催された「東京オートサロン2022」に、自動車大学校・整備専門学校も多数出展し、学生らが制作した個性あふれるカスタマイズカーが披露された。コロナ禍で学校生活が大きく様変わりする中、学生らは仲間とともに世界に1台のクルマづくりに励んだ。

あの感動をもう一度―。日産京都自動車大学校(田中篤司校長、京都府久御山町)は、「復活のZ」をコンセプトに、日産自動車「フェアレディZ」のZ34型を往年のS30Z風にカスタマイズして出展した。ボディーカラーは当時のオレンジ系を再現した。

トヨタ東京自動車大学校(上田博之校長、東京都八王子市)は、トヨタ自動車が2006年まで販売した「セリカ」をレストアした。「今はなかなか見なくなった車を復活させ、旧車の魅力を味わってもらいたい」(制作に携わった学生)と考えたという。作業を通じて学生らは板金塗装のスキルアップにもつなげた。

埼玉自動車大学校(金子勉校長、埼玉県伊奈町)では、トヨタ「IQ」を「GRヤリス」のフェンダーなどでカスタムした「ヤリスジュニア」を出展した。国際情報工科自動車大学校(和田秀勝校長、福島県郡山市)は、レーシングカートをサーキット場まで運ぶトランスポーターをテーマに、ダイハツ工業「ミゼットⅡ」をワイルドなコンボイトラックにカスタマイズした。

初出展の日本自動車大学校袖ヶ浦校(矢部明学校長、千葉県袖ケ浦市)は、ダイハツ「ミラ」を旧日本海軍の戦闘機「零戦」をモチーフにした緑色の車両にカスタマイズ。同校企画広報部の高橋浩部長は「力を合わせてボロボロだった車をよくここまで仕上げてくれた」と感心する。

関東工業自動車大学校(中川裕之理事長、埼玉県鴻巣市)は、日産の電気自動車(EV)「リーフ」の外装をスポーツ仕様にカスタムした「EVレーサー」を出展。スポーツカーのイメージがなかったEVに「カッコいいを詰め込んだ」(同校の学生)のが特徴だ。

静岡工科自動車大学校(岡部剛校長、静岡市葵区)は、過去に実習車として使用していたスバル「インプレッサ」を、現在のカスタムで主流のスタンス仕様でよみがえらせた。今後は車検を受けて、広報車として活用する予定だ。

入学者数の減少傾向に歯止めがかからず、入学した学生の中でも多様化も進む中、出展常連校の教員たちは東京オートサロンの魅力を学生に伝え続けてきたという。ある教員は、東京オートサロン出展の意義について「学生同士がまとまるきっかけになる」と説明する。ただ一方で、「車を触ることが好きで入学する学生は全体の半数くらい。東京オートサロンを知らない学生もちらほらいる」と明かす。

日産京都自動車大学校カスタマイズコース4年の髙野涼恭さんは「新型コロナの新規感染者が増えていて、本当に開催されるのかすごく不安だった。4年間の集大成を見せることができて本当に良かった」と声を弾ませていた。

新型コロナや整備士資格の実技試験が迫っていることを考慮し、教職員のみの参加としたり、参加する学生数を絞ったりするなどの動きもあった。群馬自動車大学校(小倉基宏校長、群馬県伊勢崎市)や東京自動車大学校(同、東京都葛飾区)などは、前回出展できなかった車も出展した。

従来は学生自らが来場者の応対や展示車の解説などを行っていたが、トヨタ東京自動車大学校は、展示車に付けたQRコードを手持ちのスマートフォンで読み取って解説動画を視聴してもらう形とするなど、感染予防対策でもさまざまな配慮や工夫を行っていた。

カテゴリー 展示会・講演会
対象者 大学・専門学校,自動車業界

日刊自動車新聞1月20日掲載