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2022年1月24日

新生「ステランティスジャパン」 国内4位のインポーターに

FCAジャパンとグループPSAジャパンが経営統合して3月1日に発足する新生ステランティスジャパンは、22年の国内新車販売台数を21年実績比で22%増の5万5千台とする目標を掲げた。

7ブランドを1社が統括する体制により、フォルクスワーゲングループジャパン(VGJ、マティアス・シェーパース社長、愛知県豊橋市)やビー・エム・ダブリュー(BMWジャパン、クリスチャン・ヴィードマン社長、東京都千代田区)、メルセデス・ベンツ日本(MBJ、上野金太郎社長、東京都品川区)に匹敵する販売規模の巨大インポーターが誕生することになる。

完成車メーカーのFCAとグループPSAは21年1月に経営統合しており、国内でもFCAジャパン社長のヘグストロム氏が同7月にグループPSAジャパン社長を兼務する体制を敷いていた。

統合効果についてヘグストロム社長は「充電器メーカーや電力事業者などとの交渉を進めやすくなり、消費者にもメリットが大きくなる」と説明。新店の増設などで各ブランドで販売上積みを図るとともに、電動化戦略もスピード感を持って進めるとの認識を示した。

同じステランティスグループのマセラティジャパン(グレゴリー・ケイ・アダムズ社長、東京都港区)は別法人として存続し、ステランティスジャパンとはオフィスの共用などで協力する。

統合後の系列販売会社は105法人、販売店は327拠点(1月時点)で、傘下7ブランドの21年の国内新車販売台数は4万4976台。最多台数を更新したジープを筆頭に、5ブランドが前年実績を上回った。

22年はアルファロメオを除く6ブランドで21年比プラスを見込み、計5万5千台とする目標を掲げる。2社の営業本部長を兼務する牛久保均氏は「ジープ『ラングラー』など、大幅に受注残を抱えているモデルもある。野心的な目標を設定したが、達成を目指していく」と話す。

一方、22年上期の導入を予定していたオペルは「半導体不足などの影響もあり、リソースを既存ブランドに充当するためにも年内の導入を見送る」(ヘグストロム社長)。

日本自動車輸入組合(JAIA、クリスチャン・ヴィードマン理事長)がまとめた21年の外国メーカー車新規登録台数は、VGJ系のフォルクスワーゲン、ベントレー、アウディ、ランボルギーニの合計が約5万8千台、BMWジャパン系のBMWとBMWミニの合計が約5万4千台、メルセデス・ベンツが約5万1千台。ステランティスジャパンはこれに次ぐ位置で、外国メーカー車市場は4社が新車販売の約8割を占める計算となる。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞1月19日掲載