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2022年1月19日

岸田首相「車座対話」 自動車整備現場の声に耳傾け

岸田文雄首相が国民の声を直接聞く「車座対話」を13日に都内で実施し、自動車整備士との意見交換に臨んだ。岸田首相は自動車整備工場を視察した上で、販売会社などで勤務する整備士から人手不足など現場が抱えている課題について耳を傾けた。対話を終えた岸田首相は「安心・安全な車社会を支えている業界の皆様のご苦労を実感した」と総括。

その上で、「こうした分野で頑張っている皆さんの処遇改善に向け、業界全体の収益力向上と併せた賃上げも考えていかなければ」と、整備業の魅力の向上に意欲をみせた。

整備士は少子化の影響で新たな成り手が減少するなど、慢性的な人手不足に悩まされている。加えて、先進安全装備や電動化の急速な進展によって、新技術への対応にも次々と迫られている。このため、現場を支えている一人ひとりの整備士の負荷が高まっている。今回の対話でも、こうした切実な声が上がったとみられる。

その解決策の一つとして、岸田首相は「整備業務の生産性の向上に努めていかなければならない」と指摘する。そして「新技術に対応した設備の導入や技術の習得、人材育成という点においても、さまざまな工夫が必要になってくる」との認識も示した。来年1月には自動車検査証の電子化も計画されており、新たな取り組みを通じて業務の生産性を高めていきたい考えだ。

整備士の処遇改善に向けては「社会の雰囲気として賃上げが決してコストではなく、新たな成長への投資であるという発想を持って取り組んでいくことが大事」との考えを述べた。政府も公的価格の引き上げなど民間の呼び水となるような取り組みを進める方針。「自動車業界にも理解いただき、さらなる成長につなげていくための協力を」と呼びかけていた。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞1月15日掲載