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2021年11月30日

キャンピングカーメーカー 複合商業施設出店で新規顧客獲得

アウトドアブームで注目を浴びるキャンピングカーのメーカーで、複合商業施設に出店する動きが広がっている。キャンピングカー専門店は来店のハードルが高いと見られがちであるため、将来的に購入を検討している人が気兼ねなく見学できる施設として利用が進んでいる。来店客の幅の広さから、キャンピングカーレンタルの拠点として活用する動きもある。

複合商業施設のショールームで見学し、関心を高めたユーザーを自社の大型展示場へ誘導することで、新規顧客獲得にもつなげたい考えだ。

日本特種ボディー(蜂谷愼吾代表取締役、埼玉県越谷市)は10月、東京ソラマチ(東京都墨田区)に販売を目的としないショールームを開設した。キャンピングカーの車内を再現した区画も設け、これまで関心が無かった層に車を使った旅の面白さを伝えている。アウトドアグッズや防災用品の展示も行い、キャンピングカーの災害時の活用も知ってもらいたい考えだ。

2022年初頭には、別フロアに商談スペースを設置し、販売拠点としての活用も予定している。同時に、ショールームを拠点にキャンピングカーのレンタルサービスも開始した。保管場所などの問題から車両を所有できない都心部在住者をターゲットに、リピート利用も見込んでいる。

トイファクトリー(藤井昭文代表取締役、岐阜県可児市)は、南町田グランベリーパーク(東京都町田市)にショールームを構えている。アウトレットモールの一角という立地から、気軽に来店・見学でき、キャンピングカーに興味を持ったユーザーを大型ショールームの湘南店へ誘導し販売につなげている。

商業施設から専門店への誘導が効果的なことを受け、22年の秋ごろに岐阜県内に新設される複合商業施設にも出店を予定しており、拡販に取り組む計画だ。

ディーラーでも同様の動きが広がっている。トヨタカローラ滋賀(岩城正憲社長)は、キャンピングカー専門店「カローラベースイオンモール草津店」を20年11月に開設した。複合商業施設の集客力が魅力で「出展費用は相応に必要だが、広告宣伝コストと考えれば割安」(同社首脳)とし、販売面の成果が上がっているという。

県内にキャンピングカーメーカーが少ないこともあり、来店客が同系列のディーラーを訪れるなど、販売店全体の効果を生み出した。

複合商業施設への出店はキャンピングカーの潜在顧客との接点獲得につながっている。キャンピングカーの人気は続いており、今後も開設の動きが見られそうだ。

カテゴリー 展示会・講演会
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞11月26日掲載