2021年11月16日
国交省、第3弾の地方版図柄ナンバー議論スタート 課題踏まえ制度改善
国土交通省は、第3弾の地方版図柄入りナンバープレートの導入に向けて議論をスタートした。有識者を交えた検討会で、今年度内にも新たな制度のあり方について方向性を示す計画。地方版図柄入りナンバープレートはこれまで全国58地域で導入され、地域の活性化や観光振興に役立つなど評価を得た。
その一方で、未だに交付申込件数が数百件程度と低迷する地域があるなど課題が生じている。国交省ではこうした点を踏まえ第3弾で制度を改善。未導入地域を含め国民の関心を高め、地方版図柄入りナンバープレートのさらなる普及を目指す。
議論は「新たな図柄入りナンバープレートの導入に関する検討会」で行う。同検討会はこれまで、主に次期全国版について話し合いを重ねてきた。全国版についてはデザインが確定し、作業が視認性試験などに移行したため、今後は地方版の新たな方向性について検討を本格化する。
地方版の今後の議論では、第2弾までの成果や課題を検証して制度をアップデートし、〝走る広告塔〟として各地域の観光資源や魅力をアピールする力を高める。こうして地域振興につなげるという効果を最大化していく考えだ。
現段階で大きな課題になっているが、地域ごとの交付申し込み数の格差だ。導入済みの地域では3月末時点での申込件数が「熊本」で2万3千件を超える一方、「世田谷」は500件に満たない。自らの地域におけるデザインに不満を持つユーザーが少なくないのが理由の一つとみられる。
複数の市区町村をカバーするケースが多いナンバープレートでは、エリア内に図柄の候補となる風景や観光資源が数多くあり調整が難しいことも一因だ。
このため、地域の合意形成プロセスを見直すなどして、ユーザー支持が集まりやすい制度づくりを目指す。また、自治体が導入前に需要量調査を、導入後も普及促進活動を積極的行うような仕組みも検討する。
地方版図柄入りナンバープレート導入のきっかけとなりやすい「ご当地ナンバー」の導入基準についても議論する。現在は登録車の保有台数などで制限をかけているが、地域性を考慮した基準の設定などについて検証していく方針だ。
国交省では同検討会を今年度内に3回開く計画。新たな導入要綱の方向性を固め、来年度には第3弾の募集開始を目指す。
カテゴリー | 会議・審議会・委員会 |
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対象者 | 一般,自動車業界 |
日刊自動車新聞11月12日掲載