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2021年11月10日

自慢の愛車でサーキット楽しむ 富士スピードウェイ、NAPAC走行会

日本自動車用品・部品アフターマーケット振興会(NAPAC、高瀬嶺生会長)は、富士スピードウェイ(静岡県小山町)で「第33回NAPAC走行会」を開催した。自慢の愛車でサーキット走行を楽しもうと、定員100台を上回る参加者数となった。

会場では、カスタマイズパーツメーカーも出展して新商品を展示・販売したほか、発売直前だったトヨタ自動車の新型「GR86」を特別展示した。ユーザーと業界団体・企業の関係者らが対話できる機会を設けて、ニーズの収集や市場の活性化につなげたい考えだ。

走行会は、NAPACが主導するユーザー感謝イベントとして年に2回開催している。2002年のスタート以降、参加者数は右肩上がりで増えている。今回は募集を開始してから1カ月で定員の100台に達してしまう盛況ぶりで、日常では体験できないサーキット走行に魅力や関心を抱くユーザーが増えているとも言えそうだ。

NAPACの高瀬会長は「コロナ禍で走りたくても走れない人が多い印象だ。定員を上回る応募が集まり、走行会が定着したと認識している」と活動の成果を述べた。

参加者のリピート率の高さが、同イベントの特徴の一つだ。リピーターが新たな参加者を呼びこみ、関係するカスタマイズショップからのまとまった申し込みも多いという。走行前のドライバーズミーティングで出走者にルール確認を行い、安全な走りを訴求する点も評価されている。

また、今回の参加者のうち約20人がサーキット場での走行が初めてだった。ミーティング後に初心者を集めた講習会も実施。レーシングドライバーが講師となって、サーキットでのマナーやブレーキングポイントなどを丁寧に解説し、無理な走りをせず楽しく走るよう求めた。関係者は、「事故をせず無事に帰ってもらうため毎回行っている」と、サーキット走行入門の場としても活用してほしい考えだ。

カスタマイズパーツメーカーも、商品の展示・販売だけでの参加にとどまらない。エンドレスアドバンス(萩原正志社長、長野県佐久市)は、ハイパフォーマンスサスペンションの試作品を組み込んだテスト車両を持ち込んだ。全開走行時の性能などをプロドライバーや開発者が確認しながら商品開発に生かすという。

参加者にはブレーキ温度の測定サービスも実施した。コースの特性上、トップスピードが時速200㌔㍍を超える場合もあり、ブレーキの性能と耐久性が求められる。そこで、走行直後の温度をピットロードで測定し、車両に装着されるブレーキパッドやローターの性能をユーザーに理解してもらい、コースや車両性能に合ったパーツ選定に役立ててもらう狙いだ。

パドックでは、カスタマイズパーツメーカーによるブース出展も行われた。NAPAC会員企業15社などが出展し、新製品のPRやパーツの即売を行った。また、トヨタの協力を得て、発売日直前の新型GR86が特別展示された。カスタマイズ業界を盛り上げたい両者の想いから今回の車両展示が実現したという。

サーキット走行終了後に実施されるカスタマイズパーツの大抽選会も、参加者にとって大きな魅力の一つだ。日本ミシュランタイヤは愛車と同サイズの夏タイヤを、ブリッド(高瀬嶺生社長、愛知県東海市)はフルバケットシート「ジータⅣ」を提供した。

新型コロナウイルスの収束は未だ不透明なものの、さまざま業界で感染予防対策を図りながら、集客型イベントの開催を行う動きが出始めてきた。NAPACの高瀬会長も「来年は走行会の回数を増やすことも検討したい」との考えを示した。

また「ハイパフォーマンスの方向だけではなく、ドレスアップを中心としたイベントも企画したい」とも述べ、会員企業とユーザーとの接点機会の拡大に注力する。次回の走行会は来春に予定している。ウィズ/アフターコロナにおけるイベントのあり方を模索しつつも、会員企業とユーザー、アフターマーケット業界全体が盛り上がる活動に今後も注力する。

カテゴリー 展示会・講演会
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞11月5日掲載