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2021年11月01日

キャンピングカー販売好調 コロナ禍のアウトドアブーム受け

コロナ禍のアウトドアブームを受け、キャンピングカーの販売が好調に推移している。車を活用したレジャーが再評価され、サービスエリアや道の駅などでは、キャンピングカーの存在が目立つようになった。国内のキャンピングカー保有台数は12万台を超えると推計され、年々増加傾向にある。一方で、半導体不足の影響でベース車両の入荷が遅れ、納期遅延が課題となっている。

日本RV協会(JARVA、荒木賢治会長)が発行する「キャンピングカー白書2021」によると、キャンピングカーの保有台数は年々増加している。20年の国内キャンピングカー保有台数は、12万7400台と推計され、19年よりも約8千台増加した。国内生産台数も比例して増加傾向にあり、20年は7400台を超えた。海外モデルも約700台を輸入する実績となっている。

従来はトラックをベースにした「キャブコン」タイプが主流だったが、近年はトヨタ自動車「ハイエース」などをベースとした「バンコン」の生産比率が3割と人気が高まっている。

8ナンバーとして登録するキャンピングカーだけでなく、ベッドやカーテンなど簡易的な装備を施した車中泊仕様車や、軽商用車がベースの「ソロキャンプ」が可能な車両もコロナ禍を機に人気が高まっている。「日常使用でも不便が無いサイズ感や価格帯が評価を得ている」とJARVAの広報担当者は話す。

人気が高まる一方で、世界的な半導体不足から発生する新車の減産などの影響を受けて、納期遅延が深刻化している。ケイワークス(黒田功代表取締役、愛知県豊橋市)では、ハイエースをベースにした主力モデルを例にとると、半導体不足の影響を受ける以前の納期が約7カ月だったのに対し、足元では9カ月待ちの状況だ。「メーカーの減産が影響し、標準モデルとワイドモデルで納期の差が生じている」と営業担当者は話す。

輸入車キャンピングカーを取り扱うデルタリンク(山田秀明社長、岡山県倉敷市)は、製造国のロックダウンや船便の遅延から一時輸入が滞った。「世界的に需要が高まっているものの、車両不足から入荷は今でも不定期だ。年間の販売台数から見込みでオーダーをかけている状況」と担当者は話す。

ベース車両の減産と、注文増加による供給不足から、納期短縮は当面難しいとの見方も広がっている。先行きが不透明な半導体不足の動向を注視しながら、キャンピングカーメーカー各社は製造・販売に取り組むことになりそうだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞10月29日掲載