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2021年10月15日

中古車小売り、新車供給遅れ発生量減少 オークション相場は高騰

中古車小売りを取り巻く環境が厳しさを増している。新型コロナウイルスの感染拡大や半導体不足による生産調整で、新車の納期が長期化したことや代替見送りで下取り車など中古車の発生量が減少。中古車輸出の回復も相まってタマ不足に拍車がかかり、中古車オークション(AA)相場の記録的な高騰が続いている。

中古車事業者は展示車両の確保と収益確保の両立に頭を悩ませるが、中古車登録台数は7月から2カ月連続でコロナ禍前の2019年実績を下回るなど、先行き不透明感も漂う。

AA相場の高騰は「歴史的な水準」(業界関係者)で、最大手のユー・エス・エス(USS)の1開催当たりの平均成約単価は、9月まで16カ月連続で前年同月実績を上回った。同社以外の各AA会場も応札は活発で、小売り向けの良質車には買いが集中しており、相場も上昇している。

AAで中古車を仕入れる側にとっては、当初予算を上回る落札金額となるケースも少なくない。そのため、台当たり粗利を確保するためには小売価格を上昇させざるを得ない。「ユーザーにある程度の負担を求めるが、納得を得るのは難しい。損を覚悟で販売せざるを得ないケースもある」と、静岡県のある中古車専業者の社長は打ち明ける。

新車ディーラーでは、収益確保の観点よりAAからの仕入れを控える動きが広がっている。「よほどのことがない限りAAから仕入れないため、魅力的な展示車両を集めることは難しい」(近畿地区の新車ディーラー関係者)という。

「低年式車や過走行車を商品化してやりくりしている」(中部地区の新車ディーラー関係者)ケースや、ユーザーからの注文車両のみに限定してAAから仕入れる事業者も多い。

21年上期(1~6月)は前年同期実績を上回っていた中古車登録台数も、21年1~8月累計台数では微減となって失速している。兵庫県のある中古車専業者は「8月のお盆明けから問い合わせや注文が減少し、在庫車両の回転率も落ちている」とため息をつく。

首都圏の新車ディーラー関係者は、需要減退の理由として「昨年と比べて、急ぎで車が必要なお客さまは減っている。コロナ禍の生活に慣れた側面も出ているのでは」と挙げる。

小型車や軽自動車の高年式車人気は依然と高いものの、「中古車需要全体をけん引するほどの大きなものではなく、今後も引き続き苦戦が続くのではないか」(千葉県の中古車専業者)と、先行きに懸念を示す業界関係者は少なくない。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞10月12日掲載