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2021年10月11日

政府、物流課題解消へ 倉庫や車両を共有、40年目標に構築

政府は、物流関連企業がITを活用してトラックや倉庫を共有し業務効率化を図る「フィジカルインターネット」の構築に乗り出す。2021年度中を目標に30年までのアクションプランと40年を目標にしたロードマップを策定する。

物流業界では、インターネット通販などの電子商取引(EC)の利用拡大で輸送需要が増加する一方で、ドライバー不足や積載率低下の解消などが課題となっている。デジタルを活用して各社がトラック、倉庫をシェアリングできる環境を整えて配送業務の効率化を後押しし、課題解決につなげる。

経済産業省と国土交通省が共同で「フィジカルインターネット実現会議」を今月組成した。その下に、例えば小売業や製造業など業界ごとのワーキンググループを立ち上げ、各業界の特性を踏まえながら30年までの戦略と行動指針を決める。フィジカルインターネットの領域は、現在は欧州が先駆けて取り組みを進めている。日本では今後20年以内をめどに市場に適した仕組みを官民共同で構築する考えだ。

日本のフィジカルインターネット実現には、企業間のデータ連携が必要になる。現在、宅配など片道のみ荷物を積載するラストワンマイルが増えており、物流における足元の平均積載率は4割にとどまる。

その解消では、各社の調達、生産から販売までのリードタイムの情報を共有して、物流量を平準化することなどが有効とされている。さらにパレットや管理システムの共通化も鍵を握る。同会議では、企業側に必要な取り組み事例などもまとめ、提言する。

次世代自動車の活用やインフラ整備に関しても方針を検討する。レベル4(限定領域での自動運転車)以上の自動運転車やラストワンマイル向け配送ロボットの可能性を模索するほか、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)を輸送車両に用いた場合に必要なインフラ整備の情報交換も行う計画だ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞10月7日掲載