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2021年10月05日

4~9月の国内新車販売1%増 プラス確保も低水準、供給停滞が打撃

2021年度上期(4~9月)の新車販売台数は、前年同期比1・1%増の205万359台だった。コロナ禍の影響で大幅に落ち込んでいた20年度上期を上回って2年ぶりのプラスとなったものの、過去20年の中では3番目に少ない水準だ。

特に9月は半導体不足などによる新車供給停滞が悪化し、前年同月比32・2%の減少。自動車メーカーの生産調整は10月以降も計画されており、新車販売市場回復への見通しは立たない状況が続きそうだ。

登録車と軽自動車を合わせた上期新車販売台数は、この20年でみると3月に東日本大震災が発生した11年、コロナ禍の打撃が大きかった20年に次ぐ低水準だ。足元の新車受注は前年並みとする声もあるものの、メーカーの生産調整で供給量が減少。需給がひっ迫した状態がさらに悪化している。

日本自動車販売協会連合会(自販連、加藤和夫会長)によると、上期登録車販売は前年同期比2・5%増の129万7939台とプラスを確保した。ただ上期としては1968年の統計開始以降で4番目に少ない台数だ。ブランド別ではホンダ(前年同期比8・7%減)、マツダ(同21・3%減)など5銘柄がマイナス。トヨタなど8銘柄がプラスだった。

一方、軽自動車は上期として2年連続のマイナスだった。全国軽自動車協会連合会(全軽自協、赤間俊一会長)によると、同1・4%減の75万2420台で、統計開始以降下から22番目の台数。直近10年では最も少ない水準だった。

ブランド別にみると、ダイハツ、三菱などが前年同期比プラスを確保。一方、半導体不足で生産調整が続くスズキが同4・1%減と低迷し、日産も同19・5%減とマイナス幅が大きかった。

新車販売は今後も供給が需要を下回る状況が続くとみられる。9月の新車販売台数は、31万8371台となり、3カ月連続のマイナス。前年同月比14・3%減だった20年9月を大幅に下回った。

自動車メーカー各社とも依然として生産回復への見通しは不透明で、ディーラー各社も当面は反転攻勢への道筋が立てられない状況が続きそうだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞10月2日掲載