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2021年9月15日

富士経済予測、二輪車用先進運転支援システム 世界市場35年に4450億円

富士経済(清口正夫社長、東京都中央区)は、二輪車用先進運転支援システム(ARAS)の2035年における世界市場が20年に比べて740倍以上の4450億円規模になると予測する調査結果をまとめた。同調査では、アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)や衝突予知警報、死角検知などの機能を対象としている。

21年の世界市場はARAS搭載車種が少ないため市場規模は23億円にとどまる見込み。二輪車世界市場でのACCや衝突予知警報などの搭載率は、21年はそれぞれ1%未満だが、35年には徐々に市場が拡がり4%前後になると予測している。

四輪車では先進運転システム(ADAS)の普及が拡大している一方で、二輪車での普及は遅れている。ただ、二輪車は四輪車以上に事故での運転者のリスクは高い。安全性確保に向けて、二輪メーカー各社はARAS搭載車の開発を加速している。20年には伊ドゥカティがボッシュのARAS搭載車両を発売。これを受け、他社も追随する動きが見られており、ARASの搭載は研究・実証の段階から実用化へと移行している。

国内メーカーでは、川崎重工業が運転支援システム搭載を具体化した。ボッシュのARASを採用し、21年には同システム搭載車を発売する方針を発表するなど、市場が構築されつつある。

製品別では、ARASのベース技術となるACC市場が先行して立ち上がり、当面市場拡大のけん引役になる見通しだ。特に、大型二輪車を中心に搭載が進み、35年には搭載率が90%以上になると想定する。

ACC市場はBMWモトラッドなどが搭載車種の発売を開始したことから、21年には20年に比べて4・3倍となる17億円になる見通しで、今後は、さらに採用メーカーや採用車種が広がり、35年には20年の475倍となる1900億円規模にまで成長し、大型二輪車の300万台に搭載されると予測している。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞9月4日掲載