会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2021年8月26日

国交省、首都高検討会最終まとめ 日本橋区間を地下化、環状機能維持

首都高速における都心部の環状道路の機能確保に向けたプロジェクトが具体化してきた。国土交通省は東京都や首都高速道路などとつくる検討会で最終とりまとめを策定。すでに固めている八重洲線と都心環状線を結ぶ新線建設について、概算事業費が約1100億円になることが示された。

また、新線と接続する都心環状線側の老朽更新と合わせ、一部の出入口機能も見直す。新線建設は現在着手している日本橋区間の地下化工事で影響が出る環状機能を維持するためのもの。同区間の工事が完了する予定の2035年までに、新線を開通させたい考えだ。

新線となる「新京橋連結路」の事業区間は約1・2㌔㍍で、このうち約1・1㌔㍍が地下トンネルとなる。八重洲線の西銀座ジャンクション(JC)から都心環状線の京橋出入口付近に接続する。新線は片側1車線となり、京橋側から走行すると、既存の八重洲線の神田橋JCを通じて再び都心環状線に合流できる。

現在は江戸橋JCが都心環状線と他路線を双方向で接続しているが、日本橋区間の地下化によって、西方向の行き来が出来なくなる。このため、同方向とのアクセス機能を新線経由の神田橋JCに移すことで、環状線としての機能を維持させる計画だ。

新京橋連結路の整備に伴って、接続する都心環状線の築地川区間も大幅に改修する。接続路の確保のため、既存の京橋入口を廃止して撤去する。代替策として隣接する新富町出口を入口に切り替えることで対応する。また、老朽化している擁壁を修繕するほか、同区間の車道中央部にある橋脚の撤去工事も行う。橋脚により生じていた急カーブを解消することで、安全かつ円滑な交通の実現につなげる。

将来的に都心環状線は、湾岸線につながる晴海線とも接続を予定している。現在の都市計画では晴海線を分岐させ、それぞれ築地川区間の銀座出入口と京橋出入口付近で結ぶ計画となっている。しかし、新京橋連結路の新設により、京橋側の用地などのキャパシティーが不足する。

このため、晴海線との接続位置は銀座付近のみに見直し、南側にある既存の台場線も活用することで、都心環状線と湾岸線との円滑な相互アクセスを実現していく考えだ。

今回の最終とりまとめを受け、国交省の「首都高都心環状線の交通機能確保に関する検討会」は終了する。都心環状線と晴海線との接続など引き続き検討を要する問題については別の場で議論を継続していく見通しだ。

カテゴリー 会議・審議会・委員会
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞8月17日掲載