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2021年8月24日

三菱自ショールーム「マイプレイグラウンド」 9月でオープン1周年

三菱自動車の本社ショールーム「マイプレイグラウンド」(東京都港区)が、9月1日でオープン1周年を迎える。「エクリプスクロスPHEV」など市販車を常時5台展示しており、誰でも気軽に話題の三菱車に触れることができる場だ。期間限定の企画展示として、同社のモータースポーツ活動で活躍した往年のラリーカーも披露するなど、三菱自ファンだけではなくクルマ好きの集客にもつなげている。

コロナ禍が収束すれば、子ども向けのワークショップや生産工場が立地するご当地の名産品・農産物などを販売するイベントの場としても活用したい考えだ。

マイプレイグラウンドの開設で目指したのは「三菱自ブランドと三菱車を身近に触れて感じられる空間」。2019年5月に閉館した第一田町ビルにあった旧三菱自本社ショールームの後継として20年9月1日にオープンした。

施設近隣の商業施設などに買い物で訪れた若者や家族連れにも気軽に立ち寄ってもらえるように、木目調をアクセントに用いて温かみのある親しみやすい雰囲気を演出している。ただ、想定外のコロナ禍で難しい運営を余儀なくされた一年だった。

1階ショールームエリアでは、広々としたシンプルな空間に主力の市販車5台を展示。購入見積もりや試乗の希望者には、近隣の三菱自ディーラーを紹介する体制を整えている。展示車両には純正アクセサリーを数多く装着。「カタログだけでは判別できないアルミホイールの質感や、ルーフキャリアの細かな形状を見て、購入の決め手にするお客さまもいる」と担当者は話す。

集客の新たな取り組みとして、ラリー参戦車両の展示も開始した。開館当初から「『パジェロ』や『ランサーエボリューション』など懐かしいクルマも展示して欲しい」と来場者からの要望が多く寄せられていたという。5月の株主総会で「ラリーアート」ブランド復活を発表した加藤隆雄社長の後押しもあって、競技参戦車両の展示が実現した。

ただクルマを懐かしむだけでなく、現行車両に採用されている同社独自の車両運動統合制御システム「S―AWC(オールホイールコントロール)」につながった四輪駆動技術をアピールし、三菱自の歴史と技術進化を伝える狙いもある。

3月24日からは「ダカールラリー展」を開催。02年に増岡浩ドライバーがダカールラリーに参戦して優勝したパジェロのラリーカーを展示するとともに関連映像なども披露した。予想以上の来場者数だったことから、当初は5月下旬までだった開催期間を6月30日まで1カ月延長した。

展示企画に興味を持った九州三菱(城戸﨑建二社長)は、同企画展を引き継いでオートガーデンすりーだいや(福岡市中央区)で開催し、顧客サービスや販促活動などに活用した。マイプレイグラウンドの担当者は「ディーラーから要望があれば車両の巡回に協力したい」と意欲を燃やす。

2回目の企画展となる「WRC展」は7月3日にスタート。9月末までの開催を予定している。目玉は、01年に世界ラリー選手権(WRC)に参戦したランサーエボリューションのレプリカ車両の展示。開催初日から大勢の人がつめかけた。

「ランサーエボリューションに憧れを持つ若い人の姿が目立つ。三菱自ファンを取り戻すきっかけになる展示ができた」と同社関係者は喜びを語る。来場客が投稿したSNSの効果もあって、1日当たりの来場者数はラリーカー展示前と比べて1・5倍以上に増加したという。今後も、継続してラリーカーなどの企画展示を実施する考えだ。

コロナ禍の収束後は、顧客や自動車ユーザーらとさらに密接なコミュニケーションを図れる場としてマイプレイグラウンドを盛り上げていく。例えば「キッズスペースを生かしてサンリオとコラボレーションした子ども向けワークショップの実施やモータースポーツのPRの場としても活用したい」(担当者)と構想する。

また、旧本社ショールームで人気だった三菱自の工場が所在する地域物産展の復活も実現させたいという。いずれも、ワクチン接種の動向などを見ながら早期の実現を目指す。

マイプレイグラウンドでは、今冬に国内で発売予定の新型「アウトランダーPHEV」の発売前展示も予定している。連動して「バハ・ポルタレグレ500」に出場したアウトランダーPHEVラリーカーも展示する計画だ。電動車に興味を持つ新規顧客の開拓はもちろん、三菱自のモータースポーツ活動を通じて三菱自のファンづくりにもつなげる。

カテゴリー キャンペーン・表彰・記念日
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞8月21日掲載