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2021年8月24日

アイシン、MaaS事業を加速 フードデリバリー提供地域拡大

アイシンがMaaS(サービスとしてのモビリティ)事業を拡大している。乗り合いサービス「チョイソコ」に続き、昨年6月から愛知県刈谷市内で始めたフードデリバリー「めしクルー」の提供地域を今月から西尾市、碧南市にも広げた。カーナビ事業で培った位置情報活用技術などをベースに今後も新たなサービスを積極的に開発していく考えだ。

めしクルーは、利用者と飲食店、配送事業者をアプリでつなぐ配送サービス。複数の飲食店のメニューを一括で注文でき、車両で運ぶため大量注文にも対応できる点が特徴だ。配送料は注文量にかかわらず1回400円。職場単位で発注すれば割安感がある。

サービスのポイントは、複数の飲食店から料理を受け取り、複数の利用者へ希望時間ごとに届ける配送ルートをシステムが割り出すこと。カーナビの経路案内アルゴリズム(計算手順)などを応用した。先行して実証を始めた刈谷市では月間500件ほど配達しており、コロナ禍で苦戦する飲食店の支援にもつながっている。

利用者の予約情報から最適な乗り合わせと経路を割り出して送迎するチョイソコは2018年7月に愛知県豊明市でスタートし、今では全国14自治体で運行されている。アイシンはこのほか、運転代行アプリ「うんてん代コール」や、車両情報から道路の損傷を見つける「道路維持管理支援サービス」などを手がける。企業や自治体などの協業先は50以上に増えた。

5月に公表した「2030年ビジョン」でも、こうした事業を「社会課題の解決に貢献するソリューション型商品」として位置付け、さらに力を入れていく考え。カーナビに加え、もともとパワートレインやブレーキシステム、ドライバーモニタリングなどを制御ソフトとともに手がけるだけに、MaaS事業の成長が見込めそうだ。

カテゴリー 社会貢献
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞8月20日掲載