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2021年7月29日

経団連、グリーン成長実現へ緊急提言 カーボンニュートラル選択肢拡大を

経団連は、政府が2050年の温室効果ガス実質排出ゼロ(カーボンニュートラル)と30年度での13年度比46%削減の方針を打ち出したことを踏まえ、経済界としての新たな取り組みや政府に求められる施策を「グリーン成長の実現に向けた緊急提言」にまとめ発表した。

自動車に関しては当面、カーボンニュートラルへの選択肢を拡大していくことが重要とし、「技術中立的」に電動化や燃料対策を加速し、低・脱炭素化を推進することを求めた。

経団連では20年11月に「。新成長戦略」、20年12月に「2050年カーボンニュートラル(ソサエティ5・0ウイズ・カーボンニュートラル)実現に向けて」を公表している。気候変動対策が新たなフェーズを迎えた今、新たな取り組みを打ち出すとともに、グリーン成長に向け必要な施策を提言する。

運輸部門については環境性能に優れた自動車・船舶・航空機・鉄道車両などの導入とその効率的な運用、物流の効率化などの対策を着実に行っていくことが重要だ。

特に二酸化炭素(CO2)排出の大半を占める自動車については、当面、カーボンニュートラルへの選択肢を拡大していくことが重要であり、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)への対応を図りながら、技術中立的な形での電動化や燃料対策を加速し、必要に応じて普及支援策も講じながら低・脱炭素化を推進することが求められる。

共同配送やモーダルシフトの推進も有効であり、物流総合効率化法などによる支援の拡充や鉄道貨物の利用拡大に向けた大型コンテナに対応したインフラの整備促進などへの施策も期待される。

運輸部門におけるボトルネックの一つは、蓄電池の低コスト化・小型化・軽量化といった課題に加え、カーボンフリー電気・水素、合成燃料、SAF(持続可能な航空燃料)など、安価かつ安定的な脱炭素エネルギーのサプライチェーン構築にある。

現下の国際情勢を踏まえれば、蓄電池の製造などに不可欠なレアアースを安定的に確保することも重要である。これらの対策をエネルギー需要側の対策と両輪で進めることが不可欠であり、業種・府省の垣根を越えた取り組みが欠かせない。

政府には、これらの研究開発や設備投資を促すための大胆な補助金や税制措置などのインセンティブを講じることを期待したい。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞7月26日掲載