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2021年7月21日

自動走行宅配ロボ活用でデリバリーインフラ 23年に本格サービス

ZMP(谷口恒社長、東京都文京区)は13日、エネオスホールディングスと共同でZMPの自動走行宅配ロボ「デリロ」を活用して新たなデリバリーインフラの構築を開始すると発表した。ガソリンスタンド(給油所)などに配備したデリロを複数店舗でシェアリングし、食料品や日用品などを配送するサービス網を構築する。

複数店舗の荷物を自動走行ロボットで配送する取り組みは全国初。両社は遠隔監視の有用性などを検証した後、2023年に本格サービスを計画する。さらにユーザーの購買履歴を活用したデータ事業の展開を目指す。

物流現場では人手不足の深刻化や、公共交通機関が廃止された地方で増加した買い物難民の救済が課題となっている。さらに、コロナ禍で非接触ニーズが高まった。

こうしたことから両社は、自動走行ロボを利用した宅配に商機を見出し、サービス網構築で協業を決めた。エネオス給油所を電動車両のデリロの充電・運用拠点として活用し、飲食店や薬局などの商品自動配送を行う。

自動配送ロボは、単独企業による運用では拠点確保やメンテナンスの負担が大きいという課題があるほか、初期投資の回収が難しいため事業化が進んでいなかった。

両社は宅配を希望する複数事業者にデリロをシェアリングしてもらい運用コストを分散する仕組みを作る。さらに、エネオスの給油所でメンテナンスや充電を行うことで、自動宅配ロボの利用環境を整える。

2月に行った実証実験では公道走行の技術課題をクリアした。ただ、現在は人手で近接監視を行うため「人件費を考慮すると実用化は不可能」(エネオス担当者)という。このため、遠隔監視での運用体制を構築しコストの課題を解決する。

同時に、取得したユーザー購買動向を消費者ニーズの把握や商品開発、広告デザインなどに役立ててもらう仕組みをつくり、これらをパッケージ化したビジネスモデルを給油所を経営する全国の事業者に広めていく方針だ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞7月14日掲載