2021年6月30日
国交省、事故の重度後遺障がい者支援 「選定病院」でリハビリ拡充
国土交通省は、自動車事故による重度後遺障害者の積極的な治療・支援に取り組む病院の認定制度「選定病院」の検討を開始した。既設の「短期入院協力病院」制度で認定を受けた病院の中から、リハビリテーション入院の期間延長など充実した患者支援を行うところを選定する。
新制度は、赤羽一嘉国交相が設けた検討会で交通事故の被害者救済の骨子案に盛り込まれた。重度の障害を持つ被害者は、機能回復に長期間を費やすケースが多い。支援体制を充実して、被害者の社会復帰を後押しする考えだ。
骨子案は、昨夏から開いている「今後の自動車事故被害者救済対策のあり方に関する検討会」で議論した。メンバーには医療や福祉、保険の専門家に加えて被害者、遺族団体などが参加している。
これまでの検討会では、被害者が置かれた現状を精査しながら、今後の支援制度の方向性を話し合ってきた。介護行政が医療機関から在宅リハビリへと大きく舵を切ったが、自動車事故で重度後遺障害を負った被害者は、リハビリの継続的な受診環境を確保することが難しい状況が散見される。
重度後遺障害者は、長期間のリハビリで機能改善が見込めるケースがあるものの、その受け皿に限りがあった。
このため、国は協力病院の中から、積極的に被害者のリハビリを受け入れる病院を選定して重点的にサポートする制度を作り、受け入れ体制の拡大につなげる。次回の検討会は今夏開催の予定で、骨子案をベースに詳細を詰めて、報告書をまとめる考えだ。
カテゴリー | 社会貢献 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞6月25日掲載