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2021年6月29日

近畿整協、動画で整備士PR 仕事内容・労働環境・現場の声

近畿地区自動車整備連絡協議会(近整協、山本昇会長)が、自動車整備士の仕事をPRするユーチューブ(YouTube)動画を使った整備人材の確保に取り組んでいる。

若手整備士の1日に密着しながら仕事内容を紹介するほか、労働環境や仕事のやりがいについて現役整備士の意見をまとめた動画を公開する。整備士の仕事をありのまま伝えることで、学生が職業を選択する際の候補の1つに加えてもらうことを狙う。

動画は、奈良県自動車整備振興会(中川益行会長)が中心となり制作した。3本構成で、近整協のYouTube公式チャンネル「つなぎちゃんねる」で公開する。

1本目「1Dayルーティーン編」はすでに公開されており、奈良トヨタ(菊池攻社長)「五條店」で働く女性整備士、峯風香さんの1日の仕事に密着しながら自動車整備士の仕事を紹介している。峯さんが整備士になったきっかけや、やりがいについてもたずねている。 

これから公開予定の動画は2本目がベテラン整備士へのインタビュー、3本目が若手とベテランを交えての座談会をそれぞれ取り上げる。峯さんのほか、奈良トヨタの稲森裕和さんと菊岡倫行さんが登場予定。給与や残業、休暇取得といった待遇のほか、仕事の楽しさなどについて3人が思いを語る。

動画の制作を担当した同振興会の竹内利彦係長は、「整備士という職業について知ってもらうきっかけになれば」と目的を明かす。「3K(きつい、汚い、危険)」や「低賃金」などのイメージが付いて回る整備業界だが、「動画を見て良いも悪いも知ってほしい」というのが本音だ。

だからこそ3人の整備士には、思いのままを正直に話してもらうようこだわった。「十把ひと絡げにして悪いレッテルが貼られている。自動車整備士のありのままを見てもらいたい」という。

特に近年は、整備士が顧客と接遇するケースが増え、コミュニケーション能力を求める企業も多い。腕力や体力、知識に加えてスキャンツールをはじめとする電子機器の取り扱いを求められるなど、整備士の仕事内容も変容しつつある。

状況を把握して自発的に行動できる優秀な人材を求める声は高まっており、動画にはこうした業界の変化を伝えたいという思いも込めた。

動画がターゲットに据えるのは、進路選択の時期を迎える中学生から高校1、2年生にかけての生徒たちだ。竹内係長は「車や自動車整備に興味を持ち、1人でも整備士を目指す人が増えてほしい」と強調する。人材不足が叫ばれて久しい整備業界に新風を巻き起こせるか、取り組みはこれからが正念場と言えそうだ。

カテゴリー キャンペーン・表彰・記念日
対象者 中高生,自動車業界

日刊自動車新聞6月25日掲載