2021年6月25日
部工会 会員のDX化を積極支援、セミナー定期開催
日本自動車部品工業会の尾堂真一会長(日本特殊陶業会長)は21日、定例記者会見で会員部品メーカーのデジタルトランスフォーメーション(DX)化を積極的に支援していく方針を明らかにした。総合技術委員会の下部組織として「製造DX研究会」を新設するとともに、経営者の意識改革を図るためのセミナーも定期的に開催していく。
同時に発表した部品メーカーの経営動向調査によると、2021年3月期業績は対象60社のうち、50社が営業減益となった。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で在宅勤務が広がり、企業のDXが加速している中、部品メーカーではデジタル化が遅れているのが現状だ。特に二次、三次部品メーカーでは進んでいない。尾堂会長は「DXは、これから新しいものづくりをするためには必要」とし、サプライヤーの業務効率化に向けてDXを積極的に支援していく方針を示した。
製造現場でITを活用した変革を推進するため、製造DX研究会を新たに設けて、会員部品メーカーがものづくりDXを推進する上での課題や困りごとに対する解決事例を探索していく。「経営者向けセミナー」を定期的に開催して、先進的な企業などからDX化の重要性や必要性を発信してもらう。
また、日本自動車工業会など、自動車工業5団体で取り組んでいる連携活動の中での「モノづくり競争力強化」でもDXの推進事例などを紹介、関連業界への波及も図る。
一方、部品メーカーの経営動向調査によると、上場企業で自動車部品の売上高が50%以上で前年との比較が可能な会員企業60社の21年3月期業績の合計売上高は前年同期比9・6%減の21兆8457億円、営業利益が同13・2%増の7244億円と、減収増益となった。
60社の個別の業績では減収減益が48社、増収減益が2社と、8割以上が減益。増益となった10社が全体の増益を引っ張った形で「部品納入先の自動車メーカー(の生産)によって各社の業績に差が出た」(部工会)格好だ。
今期業績見通しを発表している46社の22年3月期の合計売上高は同11・0%増の22兆1738億円、営業利益が同74・5%増の1兆2891億円と増収増益となる見込み。半導体不足など、不透明感はあるものの、自動車生産の回復で増収減益予想の1社を除いて45社が増収増益を予想している。
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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対象者 | 自動車業界 |
日刊自動車新聞6月22日掲載